それでは、続きを書きたいと思います。
美幸さんが帰り、1週間が過ぎ、、気にはなっていましたが、
私からその事を切り出す事はしませんでしたし、会長さんも
あえて、その事は何も言って来ませんでした。
ですが、10日ほど過ぎたある日、珍しく(と言うか、初めて)
会長さんから先にメールが届き、
「至急連絡されたし。」
私は慌てて、
「今日は特に予定はありません。直ぐにお伺いした方がよろしいのでしょうか?」
とReメールし、
「大至急来られたし。」
との返事。
身支度もそこそこに、私はお屋敷に向かいました。
正門にはすでに杉本さんが待っていて、
「こちらです。お急ぎを。」
何がどうしたのか、私は全く把握出来ないまま、言われた通りに
応接室に向かいました。 ノックもせずドアを開くと、そこには
会長さんが立っていて、、、ソファーには美幸さんが座っていました。
「急に呼び出してしまってスマナイ。良く来てくれた。」
「一体どうなされたのですか?それに美幸さんまで、、、。」
「う~ん、、実はな、、、」
会長さんの話では、美幸さんが帰宅して、少し復調が見られるようになった
事を、ご家族は大いに喜んだそうです。
ですが、数日が過ぎると、また同じ状態に戻ってしまい、ご家族の方々も
どうしたものかと途方に暮れてしまったそうです。
「ご家族の中で、何か問題があるのでしょうか?」
「いや、私もその事が気になって、美幸を迎える前に少し調べてみたが、
特に問題は無い、むしろ美幸を思って大事にしているくらいだ。」
「では何故また、、それに何故美幸さんがココに、、、?」
「私もビックリしているのだよ。今朝早く、金も持たずにタクシー
に乗ってココに現れてな、直ぐに向こうに連絡をしたら、
朝、美幸が居ないのに気が付いて、方々を探し回っていたそうだ。」
「なぜ、、ここなのでしょう?」
「う~ん、、それは、、たぶん、、、、」
そんな会話をしていると、ふと私の手が握られました。
え?と思い、横を見るといつの間にか美幸さんが私の横に立っていて
無表情のまま私の顔を見つめていました。
「やはりそうか、、、。」
「どう言う事でしょう?」
「美幸は、由希江さんに会いたくて、ココまで来たんだよ。」
「私に?」
私は困惑していました。確かに5日間を過ごし、少しだけ心を
開いてくれて、多少の会話も出来るようになりました。ですが
言いかえればそれだけしか出来なかったのです。
そんな私にわざわざ会いに来たなんて、、、腑に落ちない事
だらけです、、。
取り合えず、落ち着くまでは会長さん宅で美幸さんを預かる事に
なり、
「とにかく、皆少し落ち着こうか。座って一息付けよう。」
そう、落ち着かないと、、、と思っても、なかなか頭の中の思考が
止まりませんでした。
杉本さんがお茶を用意してくれて、それを皆で飲みながら今後の事を
考える事になりました。
お茶はフルーティーな香りのするジャスミンティーで、とても
美味しく、飲んでいると身体が落ち着きを取り戻して行くのが
分かりました。
しばらくの沈黙が続き、考え込んでいた会長さんが、
「私はしばらく席を外そう。2人で話してみてくれないか?」
「はい、、それは構いませんが、、。」
「うむ、頼む。」
そう言って会長さんは、お部屋を出ていかれました。
私は美幸さんと向き合い、、
「美幸さん、貴女は何をしたのか分かっている?」
「、、、、、」
「ご家族に黙って、お金も持たずにココまで来たの。それがどういう事か
分かる?」
「、、、、、、」
「それはイケナイ事なの。ご家族も心配しているわ。分かるわよね?」
「、、、、ゆきえ、、さんに、、あうの、、いけないの、、?」
「私に会うのはイケナイ事では無いわ。そうしたいのなら、ちゃんと
ご家族に言ってから来なくてはダメなのよ。分かるわよね?」
「、、、はなせない、、、かぞく、、に、、、」
「まだ、ご家族とはお話が出来ないの?」
「、、、、でき、、ない、、」
「そう、、、。」
私は困ってしまいました。カウンセリングなど、素人の私に出来る訳も無く、
かと言って、このままと言う訳にもいかず、、。
「あ、そういえば、私の名前をチャンと教えて無かったわね。」
そう言ってデスクの上にある、メモとボールペンを持って来て、
そこに、私の名前を書きました。
「これが私の名前よ。」
メモに書かれた私の名前を、ジッと見つめている美幸さんに、
「今度は、美幸さんの名前を教えてくれない。私の名前の下に
書いてみてくれる。」
そう言ってペンを渡しました。
ペンを持ったまでは良いのですが、なかなか書こうとしません。
ですが、辛抱強く書くまで待っていると、
凄くユックリではありますが、名前を書き始めてくれました。
もちろん名前は知っています。ですがここでは文字を書けるかどうかが
知りたかったのです。
線はヨレ、、読み難い文字でしたが、ちゃんと読めました。
「ありがとう。頑張って書いてくれて。ねぇ、これならご家族と
お話出来なくても、書いて気持ちを伝える事は出来ないかしら?」
「、、、で、、きる、、」
「少しツライかもしれないけど、それなら今日みたいな事にもならない
と思うの?どうかしら?」
「、、、、、ゆき、、え、、さん、、、いうなら、、する、、」
「ありがとう。でも、少しづつで良いのよ。チョットづつで良いから。」
彼女は小さく肯き、私は少しホッとしました。
その後しばらくは、私が1人でお話をし、美幸さんはジッと聞きながら
時たま肯いていました。
そのうち会長さんがお部屋に戻って来て、、
「どうだろう。この前と同じように、この子の相手をしてはくれまいか?
だが今度は明確な期限は設定できない。もちろん家庭に差し障りの無い
範疇での話だが、、。」
「それは構いませんが、、、前にも言いましたが、私はカウンセラーでは
ありませんし、何の役にも立たないかも、、いえ、むしろ美幸さんに
悪影響が出ないとも限りません、、、。」
「それならもう、充分に実証済みだよ。現に美幸は君に心を開き
つつある。そこらの銭ゲバカウンセラーよりも、信頼できる。」
「それに、この部屋の会話は聞かせてもらったよ。インターホンを
ONにしておいたのだ。君はイケナイ事をイケナイと言って美幸に
それを分からせようとしたし、ダメとも言った。実のところ
今の家族は大事にし過ぎている余りに、そう言う事を言って
やらないのだよ。それはとても大事な事なんだ。」
それからは、ほぼ毎日、美幸さんのお相手をするようになりました。
土・日も時間の空いた時は、少しでも美幸さんと一緒に過ごすようにし、
昼食は、なるべく私が作り、一緒に食事を食べ、、夕方には一緒に
お風呂に入る、それの繰り返しでしたが、少しづつですが、美幸さんも
感情が戻って来ているようで、たどたどしさは変わりませんが、
会話も増え、潔癖症も以前ほどタオルで手を拭く事が減りました。
そんな日が2週間ほど過ぎたある日、お風呂に入っている時、、、
美幸さんが繋いでいる手を離し、、あれ? と思ったら、
その手を私の両頬に当てて来て、、
「ん?どうしたの?」
その問いには、答えず、、手を徐々に下に滑らせて行き、、、
私の乳房の上で止めたのです。
「私のおっぱい、、どうかしたの?」
「ゆきえさん、、おっぱい、、、」
「うん、そうよ。私のおっぱい。」
「、、、やわらかい、、、おおきい、、、」
「そう?ありがとう。でも貴女にも綺麗なおっぱいがあるでしょ?」
「わたしの、、、おっぱい、、、、」
そう言うと、乳房から手を離し、私の両手を持ち、自分の乳房に
私の手を押し付けてきました。
「これ、、、わたしの、、、おっぱい、、」
「うん。そうね。とても綺麗でやわらかいわよ。」
「ゆきえさん、、、さわって、、わたしも、、、さわる、、」
そう言うと、私の手を離し、その手を私の乳房に乗せて来ました。
「やわらかい、、、きもちいい、、」
「ありがとう。美幸さんのオッパイも気持ち良いわ。」
それは本当の感想でした。手に吸いつくような肌の感触、、
程良い大きさで、張りもあり、、乳首も乳輪も小さく、淡い
ピンク色、、、女性の私でさえ、、、こんな事を言うのは変ですが
吸い付きたくなってしまうほどです。
すると、私の手に徐々に鼓動が伝わって来て、、それが段々激しく
なって来るのを感じ、、もしかして、、感じているの?
まさか、、性的感情を失ってしまった筈では、、、。
ですが、彼女が続けている間は、私もそのまま乳房を触り
続けていました。
すると急に彼女は立ちあがり、、
「、、、でる、、」と言い、、
「そうね。もう充分暖まったから出ましょう。」
と湯船から上がりました。
脱衣所でいつものように、私が身体を拭いてあげていた時です、
秘部からほんの少しでけですが、愛液が滲んでいるのに気付き、
この子、、やはり興奮して、感じていたんだわ、、。
と悟りました。
綺麗に愛液を拭き取ってあげて、
「さぁ、着替えましょ。自分で出来るわよね?」
「、、、、できる、、じぶんで、、」
と言い、ショーツとパジャマを着始めました。
翌日、会長さんに昨日の事を伝えました。
「う~ん、、にわかには信じがたいが、他ならぬ君の言葉だ。
嘘では無かろう。」
「はい。私も信じられませんでした。ですが、拭き取ったタオルを
見ましたが、あれは明らかに、、、。」
「そうか、、、人の心と身体とは、摩訶不思議なものだな。」
「、、、、、」
「とにかくだ、何であれ、それは良い兆候だ。これからも今まで通り
あの子のペースで相手をしてやってくれ。」
「分かりました。」
その日、美幸さんのお部屋に案内され、テーブルを挟んで座りました。
紅茶を飲みながら、彼女から何か言うのを待ってみました。それと
言うのも、彼女から部屋に誘って来たから、何かあると思ったからです。
しばらくして彼女は、私の貸した文庫本を膝に置き、、、
「よんだ、、、とっても、、、たのしかった、、」
「両方とも読んだの?」
「、、りょう、、ほう、、」
「そう、それで、美幸さんはどっちが良いと思ったの?」
少し考えたのち、、、二冊のうちの一冊を私に差し出しました。
それは森村誠一の「初恋物語」かなり昔に(たぶん昭和60年代だと)
出版された本で、高校生の男の子が、ある時、不思議な力を持ち、
謎の少女を救う為、八面六臂の活躍するSF風サスペンス推理小説。
「私もその本は好きよ。当時お金が無かったから古本屋でそれを
見付けて買ったの。ワクワクしながら読んだのを覚えているわ。」
「、、、わたしも、、、わくわくした、、」
「楽しんでくれて良かったわ。本は好みがあるから気に入らなかったら
どうしようと思っていたの。」
「とても、、、たのしかった、、」
「うん。そんなに気に入ってくれたのなら、それはそのまま美幸さんが
持ってて。」
「だいじなほん、、、もらえない、、」
「それなら、まだ貸しておくっていうのはどうかしら?それなら
私と繋がっている物が残るでしょ?」
「わかった、、、だいじにする、、かりる、、」
そう言うと、二冊の黄ばんでくたびれた本を胸に抱きしめていました。
その日の夕方、いつものように一緒にお風呂に入っていました。
私が身体を洗おうとしていると、
「ゆきえさんは、、、、わたしが、、あらう、、」
「うん?洗ってくれるの?」
「、、、あらう、、」
「そう?それじゃお願いしようかしら。」
私がいつもしているように、石鹸を手で泡立て、その泡で身体を
洗ってくれました。ただ、、乳房は他よりも長く洗っています、、。
「おっぱいばかり洗っていてはダメよ。首から足まで全部洗うのよ。」
美幸さんは恥ずかしいのか、ただ単に、熱いのか分かりませんでしたが、
顔を赤らめながら、小さく肯きました。
私も彼女の身体と洗髪を済ませ、2人で湯船に浸かっていました。
するとまた、乳房を触って来ます、、それも昨日よりしっかり
力を入れて、揉むように、、、。
「私のオッパイ、、気に入ったのね?」
「、、すき、、、ゆきえさんは、、わたしのおっぱい、、すき?、、」
「えぇ、とても好きよ。お肌もスベスベだし、オッパイの形も良いから。」
「なら、、さわって、、、わたしの、、、おっぱい、、」
私も同じように、彼女の乳房を揉み始めました。
鼓動が強く打ち鳴らされているのを手で感じ取れ、、いつもは
なんの感情も表わさない瞳が、明らかに潤んで行くのが分かりました。
しばらくして、、
「もう出ましょう。これ以上は身体に良く無いわ。のぼせちゃうもの。」
そう言う私を珍しく、不満そうな表情を見せ、、渋々湯船から
身体を上げていました。
身支度をし、お屋敷を後にしようとした時、会長さんに呼び止められました。
「どうかね、、あの子の様子は?」
「少しずつですが、表情が戻って来てる感じはします。それに
瞳にも感情が写る様になっても来ています。」
「そうか、、、そろそろ頃合いかもしれんな。」
「頃合い?」
「うむ、以前にも言ったが、あの子は性的感情を先に失い、その後
心を閉ざすようになってしまった。だが、ここに来て、君と触れ合うように
なって、潔癖症も緩和され、性的感情も戻りつつある。だが心の
扉はあまり開かれておらん。ハッキリ言えば、君にだけ開かれているだけだ。
心の扉がある程度開いてから、と思っていたのだが、先に性的感情を取り戻した
方が近道かもしれん。」
「まさか、、会長さんが、、、美幸さんを、、、。」
「バカな事を言うんじゃない。私があの子にそんなまねが出来る訳
ないだろう。」
「性的感情を呼び戻すのは君だ。いや君しか出来ない。」
「私が?、、、私は男性ではありません。SEXは出来ません。」
「レズビアンをしてもらいたい。」
「そんな、、、私には経験がありません。」
「あの子の身体を性的な目で見た事は無いのかね?」
「そ、、それは、、、」
「それなら問題無い。女性の性感帯は君が一番知っているじゃないか。」
「でも、、逆効果になる恐れもあります。そうなったら美幸さんは
立ち直れないかもしれません。」
「では、あの子を、あのままで居させる方が良いとでも?」
「そうは思いませんが、、でも、、、」
「まぁ、そう焦らなくても良い。明日までに考えてくれ。気持ちは
メールで知らせてくれ。」
また長くなってしまいました。
ごめんなさい。次で終わりになると思います。
由希江
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