「私もよ。私バツイチなのよ‥結婚したけどケンカばかり‥向いて無いのね‥ってなんで身の上話してんのかしら。一人で家にいる時何してるの?」
「はい‥ビデオ借りて来て見たり‥」
「そう。時間だから‥」
「はい。ありがとうございました。」
「あんた可愛いわね。嬉しいけど,無理しないでね。」
店を出た後,恋人を見つけた様なウキウキとした気持ちでいっぱいでした。
(嬉しいけど‥あんただけだから‥可愛いわね‥)
美優さまに会いたい気持ちは募るばかりでした。
自分に言い聞かせて一週間,我慢しました。
恋人に会いに行く様に店へと向かったのです。
「美優さまに‥」
「今日は,出てないんですよ。他のSできる子がお相手しますから‥」
思いもよらない答えにがっくりとして,でも気の弱い僕はそのまま帰る事もできず,プレイルームへと案内されたのでした。
お相手の令子さまは今風のルックスで,整った顔立ちで,スリムな身体が魅力的ですが,どうしても美優さまと比べてしまうのでした。
「貧相な身体ねぇ‥お前みたいなオス犬見ると,イジメたくなるわ。」
首輪を付けられ犬の様に這う様に言いつけられて,玩具の様な鞭で打たれても,どこか醒めてしまい愉しくありませんでした。
「良くできたご褒美をやるわ。口を開けなさい。」
仰向けになり,令子さまが小便を飲ませようとしました。
「えっ!ちょっと‥」
「何よ!」
気分を害した令子さまが,それからは時計ばかりを見て
「時間よ。また来てね。」
と最後だけ笑顔で見送られたのでした。
帰り道,虚しい気持ちでいっぱいでした。
そしてこれで良かったのだと思ったのでした。
あのまま,美優さまにハマっていたら‥自分に言い聞かせました。
もう二度と行くまい‥決心も三日と保たずに,また美優さまに会いたい気持ちでいっぱいになるのです。
今日こそは‥
店の前まで行き,思い直して通り過ぎるのを,三回繰り返しました。
一人の部屋にいると自己嫌悪に襲われます。
意気地なない自分に‥
もし,美優さまが休んでたら,帰ってくれば良いんだ‥。
心に決めて,店の扉を開きました。
受け付けには,今まで見た事のない男の人がいました。
「美優さまに‥」
「今,接客中でして‥別の‥」
写真のファイルを出して,説明しようとするのを
「美優さまが,良いので‥時間,潰してまた来ても良いですか?」
「構わないですよ。」時計を見て,
「あと30分ほどだと思います。」
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