反対側に回るには車の前を通らなければなりませんでした。けど、駐車場の入口か
らは、車が何台も道路を走っているのが見えるし、時折歩道を歩く人影もありまし
た。(こんな格好で、もしも見つかったら警察に・・・)そんな考えに身体の震え
は止まりませんでした。でも、反対側に行かないと車に入れない。震える膝で、車
が途切れるのを待って覚悟してボンネットの前を回りました。フロントガラスの向
こうで、店長さんがニタニタ笑っていました。反対側には大きな車が止まっていた
ので、その間に隠れると少しホッとしました。後部ドアのノブを引っ張るとガチャ
って開きました。ああって、思った瞬間、店長さんが内側から強引にドアを閉めて
しまいました。「いやあ」悲鳴のように私叫びました。「ウソ、開けてちょうだい
ッ」ドアを叩くとまた少しだけ窓を開けて、中から店長さんが指差しました。
エッ、って思って振り返ると駐車場の入口から、車が一台入ってこようとしていま
した。頭がずきずきして、心臓がドクドクしました。(いやあ、丸裸なのにッ)頭
の中で叫びました。逃げる場所なんてありません。車がゆっくり駐車場に入ってき
ます、店長さんが冷たい目で笑っていました。どうしようもなく私、アスファルト
の地面に這いつくばって大きな車の下に潜り込みました。身体が何とか入りまし
た。地面すれすれに、車のタイヤが見えていました。アスファルトに押し付けた乳
房がとても温かかったです。車から女性が降りてきて、ハイヒールが歩いてゆくの
を地面に這いつくばったまま見ていました。駐車場の入口から女性が出てゆくのと
同時に、店長さんが後部ドアを開けてくれました。
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