で、バレンタインの話。

職場でも女同士でチョコを交換するのは、学生の頃から変わらない。

でも、社会人になってから、手作りチョコを貰ったりすると、相手が女でも意識してしまう。

帰りの更衣室で待ち伏せされて、私が着ていた下着と同じデザインの物を着て、私に見せて来る後輩がいる。

(盗まれた？)
と思って、帰ってから確認すると、ブラもパンツもある。

どうやら私の好みを調べて、同じデザインの物を買ったらしい。

彼女は、けっこう男性社員にも人気があるのに、私と一緒にいたがる。

語学も堪能だし、教えた事は素直にやるから、仕事はできる。

私の前ではいつも笑顔なんだけど、出張や外回りで留守にすると、携帯にメールを入れてくる。

私のマンションにも遊びに来たいと言うし、去年から一人暮らしを始めたから、遊びに来て欲しいとも言われる。

とても役に立つし、可愛いから素っ気なくできないけど、私にソッチの気は無いから、モテ余していたりする。

世の中には、女に噛みついてくる｢無名｣みたいな野良犬男もいるので、一概に｢男の方が良い｣とは、彼女にススメられない。

今日も、彼女が販売協力しているデパートに、呼び出されている。

｢りなさんが来てくれると売れる｣
と、メーカーさんにも言ってるらしい。

男前な私は、休日も彼女に翻弄されている(溜息)

学生時代、社会人になったOGから、チョコを貰った事もある。

部活の後輩から貰うのは社交辞令としてあったけど、卒業している先輩から貰うと、色んな意味で気を遣う。

｢お嫁に来て？｣
と言われると、冗談では済まされない。

４月に彼女の妹が一年生で入部する。

｢お兄ちゃんか、弟さんはいるの？｣
と尋ねると、
｢うちは二人姉妹ですけど？｣
と言われた。

私は、誰の嫁になるのだろう？

って思った(笑)

成り済ましのネカマや無名の下品なレスが、非モテらしくてお気の毒(笑)

バレンタインデーというタイトルが気に触って頂けたようで、Ｓのスレ主としては、満足してます。

昨日は、休みだったから、売場には家族連れが多かった。

保証金を払って、デパートで入館証を貰った。

開店前に、届いたチョコを手分けして陳列。

パティシエが来るので、ポップを作ったりしていたら、学生の頃の学園祭準備を思い出した。

外注ではなく手作りの装飾は、作るのも楽しい(嬉)

朝一で雪崩れ込んで来たお客様に、デパガに成りきってお辞儀をする。

マスク美人が、一斉にお辞儀をしている光景は壮観だ。

今年は去年と違って｢pay｣を扱うので、私もレジに戸惑ったが、意外と簡単だった。

それより、朝からチョコが売れて行く事に、気持ちも昂る。

試食も効果的で、笑顔が絶えない。

終る頃には、顔が筋肉痛になった。

｢お疲れ様、良い笑顔になりましたね｣
売場担当の社員に誉められた。

帰りにお礼のチョコも貰った。

打ち上げにも参加して名刺交換。

消費税の増税で、年末も苦戦していたデパートが、このイベントの盛況に喜んでいた。

にわか好景気もあと２日。

どこも売上が厳しい中で、バレンタインは別物だと実感した。

女が散財した後は、男がカネを使う。

虚礼廃止の風潮も、バレンタインには関係ないらしい。

｢ボロい商売｣
という言葉に共感した。

お客も売り子も楽しいお祭り。

参加できない無名を、ふと憐れに思った(笑)

無名も成り済ましも、バレンタインとは縁がないらしい(笑)

明後日は、いよいよ当日。

男子は、日頃の行いが女子の評価に繋がるので、やたらと気を使って来た。

特に｢バレンタイン・イブ｣と呼んでいた前日は、クラスの男子が落ち着かない。

それを見かねた先生から女子に、
｢チョコ禁止令｣が出たり、
｢あげるなら全員に｣
という先生もいた。

禁止されても、｢隠れチョコ｣を好きな男子に渡す女子もいて、私達は彼女を応援した。

受け取りを拒む男子には、集団で
｢何で貰ってあげないの？｣
と言って、集団で男子を責めたりもした。

(多分その頃から、私はＳに目覚めていたのだろう)

男子の中には、泣く子もいれば、学校に来なくなる子もいて、今考えるとヒドイ話(笑)

男子に渡すのが、いけないなら女子同士で渡すようになった。

家庭科の時間も、バレンタイン前は、チョコを作るようになった。

作ったチョコを渡す相手は親か兄弟。

義務教育では、バレンタインも家族の絆作りという認識らしい(笑)

高校では、部活があったから、バレンタインは部員同士で交換したし、家族には習慣でチョコを渡していた。

大学に入って、初めて義理チョコを男子に渡した(笑)

貰い馴れてる男子ほど大げさに喜びを表現し、貰い馴れてない男子ほど素っ気ない態度で受け取った。

この辺になると、男の評価と言うより、品定めみたいになる。

中には、結婚とかも意識する女子大生もいる。

もちろん当人達には真剣勝負の日。

彼女を応援しても、二人に干渉はしない。

後で、彼女が顛末を報告するのが楽しみになる。

社会人になると、世代や事情が異なるので、学生ノリは無くなる。

社畜男子に会社からの労いを、選ばれた女子で配り歩く。

色気は無いが、それでも社畜は嬉しそうにチョコを受けとる。

私は入社から毎年、この役割を果たしている。

今年も五つの部署を、選抜された若手と三人で回り、最後は役員室で秘書課とお茶を飲みながら、社長や役員とチョコを食べる。

これが恒例行事(笑)

チョコ選びは、出世も左右する。

今年は、私の担当ではないが、若手に社長や役員の好みを教えてあげた。

午後には試食会がある。

大人のバレンタインは、シビアだ(笑)