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侵入者

投稿者:りな ◆0jVt1ao7Gw
削除依頼
2019/12/17 08:05:48 (0M4OZpEa)
部活の練習を終えて部室へ戻ると、先輩とOGが何やら騒いでいた。

中に入ると、同級生の男子が、先輩達に囲まれていた。

部室は男子禁制だったが、3年の先輩は男子を逃がさないように押さえつけていた。

「1年、こいつは痴漢だ!」

特に恐い先輩が、私達に怒鳴る。

「ウチらの部室に忍び込むなんて、良い度胸をしてるな」
「警察を呼んでやるから覚悟しろよ」
と言うと、男子の腹を踏みつけていた。

どうやら男子は、先輩たちの着替えを盗撮していたらしい。

証拠品だと言う男子のスマホが、部員に回された。

中に保存されていた画像や動画には、部員が着替えている様子が移っていた。

「(私の名字)、ちょっと来い!」

一番恐い先輩に呼ばれ、私は震えながら彼女に近づいた。

「コイツはオマエのカレシか?」
と訊かれた。

全く身に覚えも無いので、首を横に振った。

先輩は私に男子のスマホを手渡すと、私に画像を見せてきた。

私の名前が付いたフォルダーには、みんなとは別に授業中に撮影された画像や、登下校時に盗撮したような写メが保存されていた。

「私は知りません」
「告られた事はありましたが、きっぱり断りました」
と弁解すると、先輩は、
「オマエは、覗き魔な上にストーカーだったんだな?」

土下座する男子に、先輩は厳しく詰め寄った。

「コイツはヤベェよ」
「早く通報しようよ」
と、先輩達は口々に男子を罵りながら、追い詰めていた。

すると
「すいません」
と言って、男子は床に額を擦り付けて、謝り始めた。

情けない声で泣きながら謝る男子に、私達もドン引きしていた。

「マジ?」
「キモい!」
「許せない!」

1年の中からも、嫌悪の声が聞こえてきた。

「先輩、早く通報しましょうよ!!」
「りなをストーカーしてたんだし、仲間が痴漢されたなんて許せません」
「退学させましょう!」
「りなも恐いはずだから、逮捕して貰いましょう」
「そいつの親に慰謝料を払って貰いましょう」

徐々に過激になる言葉。

女子特有の集団ヒステリー。

付きまとわれていた私は、何も言えないまま、周りの空気に呑まれて行った。

怒りに怒りが募ると、全員が男子を攻撃し始めた。

その様子を見ていた私は、胸騒ぎにも似たザワザワした気持ちが沸いていた。

つづく
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2
投稿者:りな ◆0jVt1ao7Gw
2019/12/17 18:41:40    (0M4OZpEa)
男子を警察へ突き出そうと騒ぐ上級生たちと、不祥事が発覚して、運動部全体が大会に出られなくなると言う1年で、意見が割れ始めていた。

男子への怒りが、様々に飛び火して行く中で、キャプテンが先輩達に判断を委ねたいと言い出した。

3年生は進路の問題もあり、無茶はしないと考えていたようだ。

全員がキャプテンの提案を受け入れて、覗き魔の男子への対応は、先輩達に委せる事にして、私達は家に帰った。

部外者には口外しない事が徹底されて、盗撮事件の事は、部員だけの秘密になった。

私は家に帰ってからも、隠し撮りされていた事が気になっていて、自室で寛いでいた弟に、スマホを見せるように言った。

見られても困る物は無いと言うので、見てみると、アニメやアイドルの画像ばかりで安心した。

疑心暗鬼が募り、軽い男性不信や嫌悪に陥っていた。

翌日登校すると、1年の部員で集まりが出来ていた。

空き教室に集まって、男子を警察や学校に突き出すのか、話し合っていた。

男子は、クラスメイトだったので、私達も警戒していた。

元々、ネクラだった男子に変わった様子は無かったが、部外の女子が私達の異変に気づいて、サグリを入れてきた。

噂になれば騒ぎは拡大する。

私達は相互に監視する為に、休み時間毎に集団行動するようになったが、誰も事件には触れなかった。

放課後、部室へ行くと既に先輩達が集まっていた。

床に正座をしている男子は、神妙な顔で我々を見ると、背後から先輩に促されて土下座をした。

「すいませんでした」
と言い始めた男子の口からは、謝罪と反省の言葉が並び、一人一人の前で謝ってきた。

どうやら今日一日、先輩達は二年生を中心に、男子を呼び出して対応を協議していたらしい。

遅れてきた三年生にも、深々と土下座をすると、男子は先輩に用具庫へ連れて行かれた。

(ヤキを入れられる)

私も他の一年も、全員が同じ事を考えていた。

残った先輩達の指示で、私達は練習着に着替えて、練習場へ向かった。

私語も交わせない圧迫感や緊張感で、練習にも気合いが入っていた。

遅れてコーチのOGと先輩達が来ると、一緒に男子を連れてきた。

普段は男子の見学者はいない練習場だったので、気が散ってミスも続発した。

気合いの入っていない部員に、先輩のゲキが飛び、練習はいつもより厳しくなっていた。

しばらくして、顧問の先生が練習場に入ると、男子を用具係とマネージャーにすると発表した。

先生は事件の事は、知らないらしい。

運動経験も無さそうな男子は、先輩達の指示に従って、雑用をこなしていた。

その代わり、一年部員全員が、練習に専念できた。

女子部に男子マネージャーという不思議な構図に、私達は違和感を覚えたが、男女平等を口にする先生は、当然のように振る舞っていた。

しかし、相手は盗撮までするような変態男子。

男子の、おぞましい視線を意識しながら、部員は練習に気持ちを集中させた。

練習後、一年部員の仕事を男子に指導するように言われた私達は、顧問の見ている前で後片付けと掃除を手伝わせて、顧問が帰るのを見送った。

部室へ戻ると、先に先輩達はシャワーを浴びていた。

二年生は男子に目隠しをさせると、三年生と交代して、最後は私達がシャワーを浴びた。

シャワーの後で部室へ戻ると、目隠ししたままの男子がいた。

目隠ししているとは言え、同い年の男子の前で着替えるのは、勇気がいった。

しかも相手は変態男子。

急いで着替えると、先輩は目隠しを外して、脱衣所で脱いで来た部員の練習着を男子に持たせて、洗濯するように指示した。

「先輩、さすがにそれは、」
と、一年から異論が出た。

変態男子に汗臭い練習着を触らせるなんて、生理的に受け付けられなかった。

しかし、先輩達は一年の訴えを無視して、男子に洗濯をさせて、集中を欠いていた練習を反省しろ、と言われた。


つづく
3
2019/12/17 21:16:08    (jutg1z3R)
続きが気になりますね
4
投稿者:りな ◆0jVt1ao7Gw
2019/12/18 00:52:34    (xciG70MH)
部員共通の秘密が出来て、チームの結束力も強くなると、徐々に成果も出てきた。

一年生が雑用をしなくて済む分、練習にも気合いが入った。

地方大会で、そこそこの成績を修めると、顧問は正式に男子を部員にしたいと言い出したが、学校側は許可を出さなかった。

非公認の雑用係として、男子は私達の身の回りの世話をしていた。

三年生が引退して、受験の合間に遊びに来るようになると、男子を呼び出しては、部室にこもるようになった。

そんなある日、二年生の先輩に言われて、用具室に行ったメンバーが、真っ赤な顔をして戻ってきた。

「男子が三年生に裸にされてる」
「私、オチンチンを見ちゃった」

衝撃だった。

まさか学校で?

エッチに興味を持つ年頃の女子には、刺激的な情報だった。

まさか先輩達が?

色んな妄想が、頭をよぎった。

練習が終ると、男子は何事も無かったかのように、後片付けを始めて、私達がシャワーを浴びて、着替えた頃に部室へ戻ってきた。

男子は顧問に、用具の手入れをしていたと言っていたが、私達は先輩と部室でしている事が気になっていた。

数日後、男子の手首に赤い痕があったので、
「どうしたの?」
と訊いたが、答えをはぐらかされてしまった。

部内では、色んな噂も飛び交い始めていた。

部室から男子の悲鳴や、先輩の声が聞こえた、とか、先輩も裸だったとか、尾ひれのついた噂話が、一年生の間で蔓延した。

三年生が卒業すると、男子も練習場に来るようになった。

男子は、ネクラだった以前とは、別人のように変わった。

新年度になって、部活に新入生が入っても、男子は雑用係を続けていた。

彼女達は、非公認の男子マネージャーに、最初は戸惑っていたが、徐々に馴れてきて、二年生になった男子に、雑用をさせるようになった。

どんな頼み事も嫌がらず引き受ける男子に、二年生から不満の声も出始めた。

「ケジメは必要でしょ?」
という意見が増えて、私達の代表が三年生に言いに言ったが、先輩達は取り合わなかった。

顧問が新入生からも男子マネージャーを入れようと言っても、三年生は反対した。

そんな中、夏休みの合宿に来たOGから、
「面白い物を見せてあげる」
と言われ、私と仲の良かった数人が呼ばれて、深夜に合宿所を抜け出した。


つづく
5
投稿者:りな ◆0jVt1ao7Gw
2019/12/18 19:59:20    (xciG70MH)
先輩に連れて行かれた先は、別棟の洗濯室。

深夜だと言うのに明かりが灯っていた。

中に入ると、OGと三年生がいて、あの男子が一人で洗濯をしていた。

何かと思って見ていたら、男子が女子の下着を洗っていた。

「え?」
私達二年生は、思わず声を漏らした。

合宿で下着を洗濯するのは、一年生の仕事だったはず。

一番短気なユキ(仮名)が、
「何してるの!?」
と、喧嘩腰に男子に詰めよった。

ジャージ姿の男子は驚いた顔で振り返ると、私達を見て顔を背けた。

ユキが掴み掛かろうとした瞬間、
「やめなさい」
とOGに諌められた。

一番恐かった先輩だった。

卒業後、ケバいメイクをするようになって、以前にも増して迫力のある彼女に、私達は一瞬で凍りついた。

「文句があるなら、私に言いなさい」
と、凄みのある声で睨まれて、ユキもひるんだ。

「どうして、男子にこんな事を?」

雑用する彼を嫌がり、最初から警察へ突き出すように訴えていたミナ(仮名)が、震えながら先輩に訊ねた。

スポーツブラとは言え、男子に触られるのは、生理的に気持ち悪かった。

私も先輩に詰め寄った。

先輩は、
「一年生にも練習や休息が必要だから」
と言ったが、OGは、
「面白いから」
と笑いながら吐き捨てた。

「納得できません」

ユキは男子を睨み付けながら、先輩に反抗した。

「いくら何でも、これは酷いです」
と私も言った。

先輩達は、興奮している私達を、嘲るように笑っていた。

するとOGの一人が、スカートの中に手を入れてパンツを脱ぐと、男子の顔に擦り付けて、
「私のも洗いなさい」
と男子に命令した。

他のOGも、次々にパンツを脱ぎ捨て、それを男子に拾わせていた。

(何なの?これ)

唖然として、目の前の出来事が理解できなくなった。

「これも雑用係の仕事よ」

躊躇いもなく言い捨てる三年生に、私達は何も言えなくなった。

(狂ってる)
私以外の二年生も思っていたはず。

それなのに、私達は何も言えなくなっていた。

先輩達が恐かったのもあるが、状況が理解できず、何を止めさせたいのかさえ分からなくなった。

黙々と洗濯を続ける男子に、OGが声をかけた。

「アンタも脱いで、汚れた服を全部洗いなさい」

男子の作業する手が止まった。

一瞬にして、緊張感が張り詰めた。

男子は、振り向くと、私の顔を悲しそうに見つめて来た。

(なんで私を?)
と思っていると、彼は着ていたジャージを脱ぎ始めた。

「いや、バカ、ヘンタイ、」

みんなは、手で顔を覆ったが、身の危険を感じていた私は、彼から目を離さなかった。

異性として意識していなかった事もあるし、覗き魔で盗撮犯の男子に狼狽えたりしたくない意地があった。

ジャージの下には、白いブリーフパンツ。

男子は隠すように手を添えながら、片手で器用に脱ぐと、先輩のパンツを投入した洗濯機に投げ入れた。

OGは奇声をあげ、二年生は悲鳴をあげていた。

騒音が響く中で、彼は小さな声で私に、
「見ないで、」
と囁いた。

好きでもない男子の言葉に、思わず「キュン」としてしまった。


つづく
6
投稿者:りな ◆0jVt1ao7Gw
2019/12/19 06:10:07    (GjrPi4dY)
「随分と余裕ね?」

男子のストリップを黙って観ていた私に、先輩が声を掛けた。

「度胸があるのか、慣れてるのか?」

先輩は私に何か言わせようとしていた。

事実、私は弟の裸を見馴れていたし、覗き魔の男子を軽蔑していた。

ただ、ぶら下がっているだけのペニスを見ても、何の動揺も無かった。

しかも、萎縮した男子のモノに、哀れみさえ感じていた。

動揺している二人に遅れをとって、恥ずかしがるタイミングも逸していた。

先輩の問いに詰まっていると、

「ユキ(仮名)ちゃんは、彼に告白したんでしょ?」

と、先輩から意外な発言。

「え?」

私とミナ(仮名)は、驚いて彼女を見た。

「違う、違う、」

必死に否定するユキの反応に、私も戸惑っていた。

レギュラーで、後輩にも慕われていて、美人だけど男嫌いだと思っていたユキが?

私達が困惑していると、先輩は男子を呼び寄せて、男子の首に首輪を装着した。

「この子って、何でも私達に報告するのよね」

と、先輩達は私達を嘲笑っていた。

「いや、言わないで、お願い言わないで!」

赤面しながら泣き崩れるユキに、私達も掛ける言葉も見つからなかった。

後で訊いた話によると、先輩達にイジメられてる男子に同情しているうちに、好意を抱いてしまったと言う。

そんな事情も知らなかった私達は、ただ戸惑うばかりだった。

ユキの見ている前で、男子は先輩の足元で、犬のように四つん這いになっていた。

「やめて、お願い、やめて、」

その言葉は、男子に向けられているのか、先輩達に向けられているのか、私達には解らなかったが、先輩を邪魔すれば、ユキにも火の粉が降り掛かると思い、私とミナは、ユキを押さえつけていた。

先輩は男子を足で小突き、弄びながら男子に語りかけていた。

「どう?フラれた女と、フッた女、ヤりたい女の前で裸になる気分は?」

「?」

フッたのは私で、フラれたのはユキ。

そしてヤりたい女はミナ?

先輩達が私達を呼んだ理由が、何となく読めた。

私の反応は意外だったはずだけど、泣き崩れるユキと怯えるミナの反応は、想定内だろう。

嫌がるミナを連れて行こうとする三年生に、私とユキが抵抗していると、OGの先輩が業を煮やして、
「つまんない」
「ミナを守りたければ、どっちか裸になりなさい」
「どっちがミナの身代りになる?」
「それとも三人で餌食になりたい?」

呑めない要求を突きつけられて、私達は困惑していた。



つづく
7
投稿者:りな ◆0jVt1ao7Gw
2019/12/19 17:43:08    (GjrPi4dY)
「どうして、私達が裸にならないといけないんですか?」

動揺して何も言えなくなった二人に代わって、私が抗議した。

先輩達に口答えするのは始めてだった。

(シメられる)
と思った。

二人は私の服を強く掴んで震えていた。

私も先輩達が恐くて、次に言葉は出そうもない。

泣きたいけど、泣くのを必死に我慢していた。

「りなは、意外と度胸があるみたいね」

あの一番恐い先輩から、初めて褒められた。

意外だった。

他のOGや三年生も、先輩に同調した。

「レギュラーのユキやミナは、メンタル弱いみたいだし、リザーバーだけど、次期キャプテンは、この子にしましょう」

と言う話になった。

先輩達は、私達の度胸を試していたらしい。

「でも、この子の事は大丈夫かしら?」
と言って、四つん這いの男子を指して言った。

事件から日数も経っているし、先輩達の指導(今にして思えば調教)のおかげで、反省もしていて、部の発展には貢献していた。

しかし今は、学校非公認の雑用係で、彼の分の部費も出ていない。

未だに、部員から彼の存在を疎ましく思う状況もあるので、先輩は私に部員をまとめて、早く正式に男子マネージャーにするように要求してきた。

二年生は、引退するまで事件の事を黙って、部活をしなければならない。

かなりの難問だったが、三人で協力すれば出来ると言われて、私達は承諾した。

部の話は済んだ。

後は、雑用係の指導(調教)が待っていた。

私達は次期幹部として、先輩達から指導を学ぶ事になった。

試合では、みんなの足を引っ張って来た私が、次期キャプテンに任命されたので、私は真剣に指導を見た。

男子は四つん這いから、上体を起こして、犬がチンチンするような姿勢で、しゃがんだまま、洗濯室の中を周回した。

気になるのは、男子のオチンチン。

弟も毛が生えているのに、彼の股間はツルツルになっていて、子供みたいになっていた。

「うさぎとび」
と先輩が声を掛けると、男子はその姿勢で跳び始めた。

この数ヵ月間、こうしたトレーニングのおかげで、彼の身体は引き締まって来たらしい。

女子では見られない太い筋肉が、男らしく見えたけど、滑稽な姿に笑う先輩に連られて、私も失笑してしまった。

跳ぶ度に、ぶら下がっている物体が、振り子のように動く様は、私も見た事は無かった。

オシッコのポーズでは、開脚した片足を挙げて、目の前で見せつけられた。

ちょっと臭かった。

男子の全身に汗が滲み出ると、アレが少し膨張しているように見えた。

「じゃあ、そろそろ始めましょうか」

とOGが号令をかけた。



つづく
8
投稿者:りな ◆0jVt1ao7Gw
2019/12/20 07:27:01    (B3sEIiBb)
OGは三年生の一人を指名して、呼び寄せた。

とり憑かれた様に先輩は、OGの傍らに近づくと、彼女のキスを受け入れた。

クチャクチャと音を立てる二人に、その場にいた全員が引き込まれて行った。

もう一人のOGが、先輩の背後から近づくと抱擁しながら、服を捲り脱がせて行った。

「あぁん、恥ずかしい」
と言いながら、先輩は腰をくねらせながら、OGの着ていた服を脱がし始めた。

「嬉しい、先輩とキスしてる、」
と言いながら、二人は互いに愛撫しながら床に座り込んだ。

気がつくと、他の先輩達も服を脱ぎ始め、二人か三人で固まって抱き合っていた。

甲高い声で喘いだり、唸るように悶えていたり、ヒステリックな状況に、私達は圧倒されていた。

(巻き込まれたら、どうしよう)
と心配する気持ちと、わずかに期待する気持ちが入り交じっていた。

三年生が、こちらにお尻を向けると、四つん這いの男子のお尻に顔を埋めた。

ユキ(仮名)が、小さな声で、
「いや、やめて、」
と呟いている。

ミナも震えているので、私は二人を強く抱き締めて、守ろうとしていた。

すすり泣きする二人に、私も貰い泣きしそうになったが、先輩にキャプテンを内示されていたので、我慢しなきゃと思った。

三年生が男子の下に潜り込むと、彼のペニスを口に含んでいるのが見えた。

私は動揺しているユキに見せないよう、彼女の前を塞いで、キスした。

初めてのレズキスは、彼女の涙でしょっぱい味がした。

震えていたミナもキスに加わり、私達は割れを忘れたように、キスと愛撫を交わしていた。

唾液が糸を引きながら、アゴから滴り落ちて、首から胸元までベトベトになった。

「あああ、」

背後からOGの喘ぎ声が聞こえて振り向くと、男子のアレがアソコに挿入されていた。

人間の交尾を初めて見た。

男子と三年生は、OGに覆い被さり、こちらにお尻を向けて、悶えながら絡まっていた。

(この場にいて、先生に見つかったら、私達も退学になる)

正気に戻った私は、二人を連れ出して合宿所に戻り、真っ暗のシャワー室で汚れを落とすと、静かに部屋へ戻った。

ようやく安全な場所に戻れて安心したら、私も涙が溢れてきた。

いつの間にか、寝落ちしていたが、朝になると昨夜の出来事が、恐い夢だと思うようになっていた。

現実だったと認めたくなくて、必死に記憶を消そうとしていた。



つづく
9
投稿者:りな ◆0jVt1ao7Gw
2019/12/20 21:02:40    (B3sEIiBb)
悪夢の夜から明けた翌日。

私は一年生より早く練習場へ行き、自主トレに励み、準備をするなどしていた。

先輩から次期キャプテンと指名されて、モチベーションも高くなっていた。

ところが、経験者のユキやミナほど上手く出来ずに、悔しい思いが募って行った。

合宿の最終日、顧問から発表されたレギュラーに、私の名前は無かった。

リザーブにも入れず、落ち込んでいた私に追い討ちをかけたのは、顧問がユキを新キャプテンに指名した事。

そして、私が合宿で頑張っていた事を話した上で、全員にゲキを飛ばした事が、行き場の無い怒りに火をつけた。

「りな、残念だったね」

ユキとミナの慰めも、私の神経を逆撫でした。

大会期間中、私は観客席から、誰よりも大きな声でゲキを飛ばしていたが、内心では(負ければ良い)と思っていた。

顧問の選んだチームは、善戦したものの、地方代表の進出手前で惜敗した。

選手も応援していた仲間たちも落胆していたが、その様子を見ていた私は、内心で喜んでいた。

主力の二年生が、プレッシャーに潰されたのが敗因。

最後は経験者の一年生に引っ張られるぐらい、チームはガタガタになっていた。

キャプテンのユキが、冷静さを失い、ミナも雰囲気に呑まれ、一年生の活躍がなければ惨敗していただろう。

コートで泣き崩れる仲間と、茫然自失の顧問の様子を、高い位置から見下ろしながら、私は一人で悦に入っていた。

大会も終わり、三年生の引退も近づく頃には、私とユキの関係も、すっかり険悪になって行った。

意見の対立から、掴み合いのケンカまでするようになり、女同士の派閥も、部内に生まれた。

ユキの側についた二年生や後輩に冷たくしたり、練習試合でもダメ出しをしていた。

私は何度も顧問に呼び出されて叱られたが、態度を改める事は無かった。

顧問に気に入られていた雑用係の男子にも、私の怒りの矛先は向いていた。

私の側についた一年生に、私は男子が盗撮していた事件の話や、ユキが告っていた事など、部内で内緒にしていた秘密を、すべて暴露していた。

三年生が引退して、OGが顔を出すようになった冬季合宿で、私はレギュラーの一年生を呼び出して、洗濯室に連れて行った。

彼女達は、男子の裸を見た事も無かったらしく、普段の生意気な態度が一変した。



つづく
10
2019/12/21 19:05:58    (5iemWrdd)
リナさんも先輩たちと同じ事をしてるの?
11
投稿者:りな ◆0jVt1ao7Gw
2019/12/21 19:51:19    (4H3i1Ft/)
花の慶次さん、レスありがとうございます。

年末は色々とありまして、今日も外出しています。

10年ほど昔の話になります。

私も分別の無い子供だった。

イジメる快感が高じて、今も似たような悦びの虜になっています。

私も同じ、

あれほど恐かった先輩と自分が、同じだった事は否定しません。

ただ、レズではありません(笑)
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