朝、会社員の貴方は朝食を済ませると妻へ挨拶をして自宅を後にする。駅へ向かい、いつもの様に通勤電車へ乗り込んだ。
3駅分あり、時間にして約30分。微妙に人が多く、座席は殆ど埋まってしまう。かと言って満員電車の様な窮屈さとは程遠く、人との接触なく乗車出来る程度だった。
今日もそんな混み具合の中、貴方は一人電車に揺られながら立っていた。
ふと何気なく前方を見ると、見覚えのある女の子が。
制服姿の彼女…古くからの友人、山崎の娘、和葉だった。
生まれた時に抱いた事や、大きくなった後も何度か食事会で話した事もある顔見知り。
今年の春に高校へ入学し、和葉も電車通学の為、こうして偶に会う事がある。その際は電車内~学校までの距離を一緒に話しながら通うのが恒例だった。
貴方は話す為に近寄ろうとするものの、和葉の横に男が立っている事に気づく。
妙に距離が近く、どこか不自然。眼鏡をかけた小太りの男で、服装は地味で野暮ったい。
和葉は四人座席の裏側に凭れる形で立っていて、男はその横に立っている。
男の左手にはハンドバッグが持たれており、和葉のスカート裾横の真下に位置している…
盗撮?…
男はどこか挙動不審。和葉の横で立たなくても良いくらいの空き状態ながら、何故かそこへ立っている…
位置からすると、和葉の膨れたスカート内を横下から撮っている角度。
和葉自身が気付いても良いくらいの不自然さはあった。
…しかし、和葉は何故か平常心といった様に、平然とした表情でスマホを弄っている。
それは気づいていない訳ではなく、寧ろ、気づいていながら流している様な…
もしそうなら、何故?
抵抗したり通報はしないのか?
ガタンッ… ガタンッ…
男は吊り革を持つ様になり、次第に和葉と対面する方向で立ち始める。
…ハンドバッグは和葉の前部下に位置している…
何も抵抗しないのを良い事に、男は立ち位置を変えて和葉のスカート下にハンドバッグを向けているのだ。
位置からすると、恐らく和葉の股間下が撮れているのだろう。
和葉は変わらず平常心の顔でスマホを弄っている…
・・・
何とも言えない奇妙な光景を見ながら、貴方は降車駅に着いた事に気づく。
ドアが開くと和葉も降りていき、男はそのまま。和葉をずっと見ている様に感じた。
和葉を追う様に降りた貴方は漸く声を掛けた。
「ああ、おじさん。おはよう。さっきの電車だったんだ?…」
いつもの様に、学校までの道のりを歩く二人…
…さっきの事を聞いた方がいいのか…でも、聞くとしても何を?どう聞くのか?勘違いかもしれない…
…駅員に通報?…
…とりあえず山崎に報告?相談?…
何となく気まずく、電車内での出来事を話せずにいる貴方。
恐らくあれは盗撮だろう。
友人の娘のスカート内を隠し撮り、慰みものにでもするのだろうか。
貴方は電車内の男に激しい怒りを抱く。
しかし…妙な昂りも、抱いていた…
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