結婚して、20年あまり。
四十代を迎え、夫との関係は冷め、もう何年もセックスレス…
子供達は、好き勝手に過ごし、会話もない…
この家では、無償の家政婦のように過ごしていた…
ほとんど無趣味といっていいほどだが、唯一、趣味とまではいかないが、週に数一度、決まった曜日に、目一杯おしゃれをして、ショッピングモールで過ごし、
時々、声を掛けて来るナンパ目的の男を軽くあしらうこと。
一緒に着いて行くことはないが、まだ女であることを自覚出来ることに密かに楽しみを感じていた…
しかし、ここ半年あまり、誰も声を掛けて来ない…
今日も収穫なく、所在なさげに、ベンチに座り、スマホを見ていると…
「何か、寂しそうな顔をしているね…」
まだ声変わりもしていない高い声の少年から、声が掛かる…
見た目は、華奢で貴女よりも背が低い、ハーフなのか、瞳は青いブルーの綺麗な顔立ちの美少年…
図々しくも、貴女の隣に座り…
「あーあ…お腹空いたなぁ…
ねえ、何かご馳走してよ…」
と笑顔を見せる…
話し方も馴れ馴れしく、図々しいが、その笑顔に何となく嫌な気分ではなく、惹きつけられる…
そして、少年とフードコートで食事を奢り、他愛ない会話をしながら過す…
少年があまりにも可愛いく、貴女は、一時の幸せな時間を過す…
食事を終えると…
「ご馳走様、ありがとう…
今日のお礼をしたいから、来週の同じ時間に待ち合わせしよう…」
と言われ、連絡先を交換せずに、その場を別れる…
別れた後、その少年のことが頭に浮かび、忘れることが出来ない…
もう頭の中は、少年のことでいっぱいになってしまう…
そして、その翌週、また、ショッピングモールに行き、少年が来るのを期待している…
そして、待合せ場所に行くと、既に少年は待っていて…
「来てくれて、嬉しいよ…
じゃあ、お礼をしないとね…」
満面の笑みを浮かべる少年…
そんな少年だが、彼にはもう1つの人格を持っていた…
その日を境に女性として見られ、一線を超え、少年しか見えなくなり、堕ちて行く…
そんな感じの展開を考えています。