二階の寝室から隣の家の窓を眺め、そこからどうしていいのかわからない私は、夫から知らされたとあるサイトを開き、状況を説明すると指示を請うように書き込んでしまう。
「こんな事で誰かから指示なんて…。」
夫から見せられた時にもそんな世界が有るはずがないと信じていなかった。
サイトの中の出来事や書き込みなどは造られた世界で現実のもののはずがないと…。
それでもそのサイトの力に頼ってしまうほどに私は無知で、寝室に来てはみたものの何をしていいのかわからずにサイトに書き込みを…。
「誰も反応なんてしてくれるはずないわ…。」
造られた世界であると疑っている私にとって、そのサイトの存在そのものがAVなどの作り物と変わらないものだった。
しばらくベッドに腰掛けたまま窓の外を眺める。
相変わらず隣の家の窓にはぼんやりとした明かりが灯り、時折人影が動いているように見えた。
フワッとした薄いグレーのワンピース。その裾がベッドの上に広がり、スマホを持つ手を包み込むように…。
【遙斗さん、よろしくお願いします。】
サイトにコメントを書き込んでから窓を眺めて過ごす時間。どれほど時が流れたのだろう。「こんな事をしても…。」作り物の世界と考えていたサイトから力を借りようとした事…。夫にドタキャンされた腹いせにと二階に上がってきた事…。色々な後悔が私の寂しさを助長するかのように、孤独感が強く心を締めつける。ゆっくりと立ち上がる私の足元に手にしていたはずのスマホが音を立てて落ちる。いつの間にか手から離れワンピースの広がる裾の上に置かれたスマホが立ち上がる動作で引き落とされた。「あっ…。」小さく呟きスマホを拾い上げると、コメントしたところにレス1の文字が見える…。「えっ!?誰かが書き込んだって言うの…!?」あり得ない事だと思った。作り物の世界の中に私の言葉に反応があるはずがないと思っていた。再びベッドに腰をおろすと、誰ともわからない相手からのコメントを開く。「慰めなんて…。」そう呟きながらもコメントを読み進める。「露出に興味!?何を言ってるの!?」「他の人も…?人妻なのに…?そんなのウソよ…ウソに決まってる…。」誰ともわからない者からの言葉を信じるつもりもなく、抗う言葉を口にしながらも…。「欲求不満の…身体…?」確かに満たされていない思いはあった。仕事人間の夫とはもう何年前にしたのかすら思い出せない。私が求めても断られる悲壮感を何度となく味わい、私から求める事はしなくなった。昔ながら聞いた夫の言葉を思い出し、何度となく今と同じ場所に立ったことも…。私の中にもう一人の自分が居るような不思議な感覚に戸惑ってもいた…。「欲求不満の身体を…若い男に…?」何かに操られるように窓辺に立つ。バルコニーへ出る大きな窓の前に立ち隣の窓を見つめる。「あの部屋には若い男…遥斗くんが居るのよね…。」真っ暗な部屋の中で窓を見つめ立つ私。左手に持つスマホの画面が私の顔をぼんやりと照らし出しながら…。「遥斗くんに…欲求不満の身体を…見せつけて遊ぶ…。」呪文を吐き出すように呟きながら、隣の窓とスマホのコメントを交互に眺めながら、ワンピースの裾を少しずつ捲り上げていく。白くて細い脚が露わになり始め、太ももの中ほどまで捲り上げたところで手が止まり、頭の中に夫の顔と乙戸の言葉が浮かび上がる…。「あなたがいけないんだからね…。これが…あなたの望んだ事なんでしょ…?」ゆっくりと捲り上げていく裾。脚の付け根を通り越しお腹まで捲り上げると、薄いピンクのレースがあしらわれた小さな下着が晒される…。「あなた…これでいいの…?私…今…隣の遥、組んに向かって…ワンピース捲り上げて…パンティ晒してるのよ…?それに…そうしろって…知らない男に言われて…私…あなたじゃない他の男に言われて…パンティ晒してるのよ…?」そう呟きながらスマホを手にコメントを打ち始める。≪露出に興味があるのか…欲求不満なのか…わかりませんが…。言われた通り…窓辺でワンピースの裾を捲り上げて…パンティを露出してます…。薄いグレーのワンピースに…下着は上下お揃いの薄いピンク色…。隣の若い男の子に気づかれたら…そう思うとドキドキします…。≫
...省略されました。