ピアノを習い始めたの頃の話ですが、私の先生になったのは2才年下の音大生でした。
一見、ピアノなんか弾きそうにない感じな人でしたが、やはり音大生。
鍵盤の上を流れるように動く指に惚れ惚れ。
でも、無愛想な感じだし、ミスすると嫌味な事言うし、眼鏡だし…いや、あんまり眼鏡は関係ないけど、
とにかく何とか一矢報いたい!
と、変な方向に考えてしまって。
『私の魅力でムラムラレッスン大作戦』を決行する事に。
要は、先生が欲情しちゃうような服装で行って、ムラムラのままレッスンさせ続けるというお預け大作戦!
レッスン日。
いつもはカーディガンにデニム…という色気も無いような服装だけど、
その日は胸元がVネックでかなり深く開いて、体のラインにピッタリしたカットソーとタイトなデニムのミニスカートを履いて行きました。
もちろん、ブラは谷間がいつもの3割増になるやつで☆
「こんにちわ、先生♪」
「こんにちわ、薫さ…っ!?」
いつもと雰囲気が違う私を見て、凄く驚いた顔の先生。
「今日は暑いですね」
パタパタと手で仰ぐ私。
フフフ…若い子は簡単~♪
「…そうですね」
…ん?
防音室の扉を閉める先生。
「さあレッスンを始めましょうか」
…えっ、驚いたの一瞬だけ?
いつもの様な先生の態度にがっかりして、私はムラムラ作戦は失敗に終わったと感じた。
「…はぁ…いつになったらそこ弾けるようになるんですか」
ムラムラになるどころか、いつもより不機嫌にさせてしまった…
一回こうなるとダメダメな私…ミスを連発。
やば…泣きそう…
「もう結構です、今日は帰って下さい」
と左手で目を覆い、右手でシッシッと追い払う仕草をする先生。
…私…何やってるんだろ…純粋にピアノを弾きたくて、先生だって不機嫌ながら、下手な私のレッスンを一生懸命見てくれてるのにムラムラ大作戦とか…
ポタポタと涙が溢れてきた。
「一応警告はしましたよ」
急に立ち上がった先生にビクついて、一歩さがる私…
「神聖なレッスンの時に俺を欲情させたお前には…お仕置きが必要だな」
防音室の扉の鍵がガチャリと閉められた。