縄を使って縛るよりも言葉の真綿で縛るほうが好きだ。
飲みかけのコーヒーの横に置いた携帯にメールの着信を知らせるイルミネー
ションが光る。今日何通目のメールだろうか・・・
どこの街でもある平凡なコーヒーショップの昼下がり、隣で主婦たちが差し
さわりがない話をオーバーに頷きあってる。
楽しいのかな?斜め向かいのサラリーマンは、携帯で話しながら何度も頭を
下げてる。客は6割くらいの入り、どこにでもある、普通の日常だ。
携帯の画面開きメールを見る。
「もう、触りたい・・・限界」
文面は短い、チャットのようなやり取りは、もう2時間くらい続いてるだろ
うか・・・
「ユナ、だめだよ。触っちゃ・・ 仕事中でしょ?」
こちらも短い文面を書き込み、すぐ返す。
携帯片手に謝ってたサラリーマンの電話が終わった。深く溜息をついてる。
俺はここにくる途中に買った本を読んでた。題名はトパーズ。仕事関係で知
り合った女が熱心に勧めてた。その女は主のいないMだった。
携帯のランプがまた光る。
「このままじゃ、仕事出来ないよ・・・ ××さんに大丈夫?って聞かれた
し・・・」
限界が来たな。そろそろ開放するかぁ・・・
隣の主婦達が声を潜めて話し出した。目がイヤラシく笑ってる。だれかの不
倫の話らしい。いくら声を潜めてもオバちゃんの声はでかい。
「もういいよ。でも指は使っちゃだめだよ。デスクの角になら敏感な部分を
押し当てても良いよ。そのあと報告しなさい。」
今日一番長いメールを送った。それに対し返事は短かった。
「はぃ。。。」
その短いメールの行間を読む。メールを見て軽い絶望した顔と机の角に押し
付けて恍惚としてる顔が思い浮かんだ。ちょっと楽しくなった。
俺は週末会いにいこうと決める。そして抱きしめたくなった。
この話はもっと長くなりそうです。コメントに続きを徐々に書いていきます
ので良かったら読んで下さい。