彼に視界を薄絹で遮られた瞬間
私は介護実習のときの盲人誘導を
思い出し、その時初めて被虐たるは
至高の"委ね"である事に思い至った。
それまで私の中でもやもやと曖昧模糊と
ややもすれば後ろめたさからネガティブな
感情を生みやすかった自分の裡で蠢く
被虐という感性が、つまりはよるべない
自分を誰かに委ねたいという深層心理から
生まれたものだと知ったとき、私は心底
合点し、その快楽に溺れ遂にはこうして
Masterたる彼に傅く夜を迎えた事実を
前向きに捉えられる概念が自分の中に
しっかりと確立したことを嬉しく思い
首に嵌められた首輪の軽い締め付けに
彼が自分という女の現世の楔であることを
とても嬉しく感じた。
すべてを彼に任せ、自分はたゆたいの中で
Masterの手管に酔い痴れればいい・・
ずらされた下着・・
猫の舌なめずりのような音をたて・・
まるで下着を汚すのが目的のように・・
崩れ落ち膝をつけば、そこは彼の両膝の間。
手枷を嵌められた不自由な手で探れば
そこには彼のぬくもりと屹立。
そっと私の頭に添えられた彼の手が導くは
含羞のイラマチオ・・
「そう・・深く・・咥えるんだ・・」
膝立ちで迎える初めての彼への愛撫。
(ああ・・強いて・・私に強いて・・)
静かに捩じり上げられる両の乳首の甘い
疼痛に我知らず、ゆらゆらと揺れる尻。
「なんだ・・その物欲しげな、その腰は?
ではその虚空、埋めてやらねばな」
その刹那、むんずと掴まれた髪を引かれ
顔を上げさせられて反らされた身の股間に
突然挿し込まれた兇悪に唸るディルドウ。
「ひぃぃっ!!」
「ふっ、なにを大袈裟な・・根元まで
しっかり全部呑み込んでおいて・・」
そして再び髪掴まれ強いられる口唇奉仕。
「ふぐぅっ! うっっ・・」
「さぁ、何が起ろうとも・・口を離しても
そのディルドウを落としても罰を与える」
(えっ!?・・)
いつのまにか彼の伸ばした足が私のぶるぶると
震えあがる両脚の間に差し込まれ彼は器用に
足の指先を操り私の股間のディルドウに
抽送を与え初め、それだけでは足らぬと
ばかり束ねた紫縄で私の背中に鞭の雨。
「ひっ!!・・あっ、ぐぅぅ!」
思わず戦慄いた女肉がディルドウを押し出して
慌てる間もなく彼の足指で粗暴に押し込まれ
次の鞭を浴びては再び押し出し突き込まれ
呼吸も止まりそうな中、さらに深く私の
喉も犯す無慈悲な彼の屹立は容積を増す。
(飲ませて・・欲しい・・)
そんな妄想に駆られる私の膝に時折落ちるは
涙か涎か・・浅くしか出来ぬ呼吸に朦朧と
し始めた意識はすでに彼の"聖液"を飲み干す
その欲望にだけ支配され・・激しさを増す
鞭と髪を鷲掴みにされて上下させられる頭
それさえすべてが記録されているはずだ。
彼の責めを受ける自分の姿・・
契りの首輪を付けた彼の隷嬢・・
けれど、先に絶頂して果てるは
どう考えても私のほうが先・・
その先にどんな責めが待っているのか・・
そう思った刹那、かぁぁっと頭の芯が熱く白く
燃え上がり、その直後すぅぅっと意識が遠のき
私は自分の膝が崩れ落ちるのを感じながらも
次なる責めに怯えた。
愛おしい主の・・