私のところに来る依頼メールの殆どが被虐を
自覚しつつものマッサージ依頼ではあるが
中にはストレートに拘束性感を望んでくる
女性もいるわけだが、里美(25)の場合は
若干趣が違っていた。
基本的にエピキュリアン(快楽主義者)が嫌いな
私は、基本的に性感だけの希望者は受け付け
ないのだが里美の場合は体ではなくストレス
障害によって心が消耗して不定愁訴に陥り
とにかく仕事ではやむを得ない、すべての
”決断”という行為から一瞬でも逃れたいと
いう果たせぬ願望から、優柔不断で都合は
いいが甘える一方の今彼では話にならぬと
あえて私の縄により解放を感じてみたいと
思ったというもので、まずはその第一段階
として、ネット・カフェという間仕切り1枚で
他人の存在が感じられるような場所で
あえて破廉恥な行為を調教の小手調べ
前戯として施されたいというもので
私はその希望に若干の打算を感じて
笑止と最初は乗らず予約もさせぬまま
熟考するようとだけ告げて捨て置いて
いたが、あまりにも頻繁に切羽詰まった
メールを寄越し、私の小説も読破して
信も深まって来たようなので今月の
私の出張の終わり間近を指定して
ようやく予約を許した。
そして当日の夕暮れ、待ち合わせ場所で
里美を拾い向かった先はネットカフェの中でも
個室感の強いカップルシートのある某店で
ここは監視カメラも殆どなく死角も大きいので
かなりの事ができ、かつ適度な音量で
BGMも流れているため会話が丸聞こえと
いうこともないのも好都合で、迫り来る
緊張で私の後ろに隠れるような里美を
後目に入店の手続きを済ませ、平日の
人気のない店内にふたり靴音響かせて
各々の飲み物を持ち個室に入り、車内で
打ち合わせた通りに二人ともども洗面に行き
用意を済ませたのち改めてソファに腰掛け
調教開始は無言のままにアイ・マスクから・・
改めてつけてきたと思われるコロンが香る
里美の首筋にゆっくり走らせる私の指先は
すでに汗ばみはじめている鎖骨を経て
かなり余ったカップの中の乳房を素通りし
肋骨をくすぐって、よじれた里美の腰に
たどり着いては軽い指圧を加えれば
早くも微かにハァハァと里美の息は乱れ
私は空いている片手で半開きのその唇を
なぞり耳元に「しゃぶれ・・」と囁きながら
かなりの火照りを湛えたパンストの太股に
立て指での愛撫を加える。
「んっ・・」
私の指をしゃぶりながら思わずもの呻きを
上げながらも身をくねらせることで耐えようと
する里美のそのさまはなかなかに淫猥であり
興の乗ってきた私は、アタッシュの中から
緋色の縄を取り出し高手に括り背中を通し
ソファの脚に括りつけ拘束し、もう1本の縄で
スカートの下で腰縄を作り股縄を仕掛けて
ゆっくりとギリギリとばかり締め上げていった。
「どうだ・・初めての縄の味は?・・」
里美の耳朶を甘咬みしながら囁く。
「・・こ・・こわいです・・」
股縄を左右に動かし、すでに膨らみきって
いるであろう肉芽を潰し弄べば、里美は
ガクガクと腰を持ち上げて逃れようと
するものの、それは無理な相談であり
それに加えてホックを外したブラの下から
侵入した私の片手はすでに勃起した乳首を
挟み取っており、軽い捻りを加えている。
人の体はおもしろいもので痛みと快楽を
同時に与えると痛みを消そうと快楽を
倍に感じようと脳が働く・・
「あぁっ!!」
壊れた薇仕掛けの人形のように反り返り
ソファさえ軋ませて跳ねる里美の体・・
「しっ!やかましいと、その口にさっきより
太いものをねじ込むぞ!あはは・・」
私にとっては児戯にも等しい茶番だが里美の
頬には汗に濡れ張りついた黒髪一筋。
そこで頃はよしと私は里美のパンストを
小鋏で切れ目を入れて静かに引き裂いて
次なる静音ローターをその下着の上から
肉芽を包んだ裂け目の上に仕掛けて
その振動を調整する。
「くううっっ!!!」
これに里美はあっけなく昇りつめ始めたが
この程度であっけなく昇天されては私の
名折れ、すぐに振動を止め私は里美の唇を
奪い、もの凄い勢いの鼻息を笑いながらも
舌絡め楽しみ股縄をかいくぐらせた手で
里美の下着の中へと指を差し向けたなら
そこはすでに葛湯でもぶちまけたような
ありさまで、股布に触れる私の指の表
までが生暖かくぬめった淫蜜に濡れ
裂け目で指を遊ばせればピチャピチャと
水音さえ立てかねないほどの惨状で
私は里美の被虐感性に満足しつつ
次の責めに備えて里美を一度だけ
昇り詰めさせておく事にした。
「いきたいか、里美・・」
声もなく、こくんこくんと頷く里美には
私がひっそりと片頬に浮かべた邪笑は
見えるはずもない・・
ー続くー