次の塾の日、智恵と顔合わせるのが嫌で嫌で仕方なかった。
サボろうかと思っていたら、家族旅行から帰ってきた塾の友達から誘われて、行かなきゃならないはめに。
智恵が約束果たしたことなど、当然言えない。
智恵があとから塾に来た。
女子連中と普通に話して笑っていたが、俺を見るなり眼光鋭く俺を見た。
絶対しゃべるなよ、と俺に目で訴えたと思った。
塾が終わり、帰ろうとしたら、また紙切れが入っていた。
智恵が休憩時間、俺が席を立ってる間に入れたと思われる。
好きにしていいって言ったのに、逃げた根性なし、バ~カ。
やっぱり俺は智恵に勝てない、そう思った。
女は強い、そう感じた。
そして智恵は、私立の中学受験に成功した。
ただ成績改善のための塾通いの俺は、家の近くの公立校。
智恵との接点はなくなった。
あれは中学二年、部活の大会の会場だった。
そこに智恵がいた。
根性なしの鈴木君じゃないですか~と、にやけた顔で近寄ってきた。
ジャージの胸のとこは、もう立派に膨らんでいた。
試合頑張ってね~と、肩をポンと叩いて走り去っていった。
挨拶すら返せない俺は、やっぱり智恵に勝てないな~と思った。
高校に進学した俺、偶然にも塾の智恵の仲間と同じ学校、クラスになった。
そいつから聞かされた。
智恵、絶対鈴木君好きだったと思うよ?
だからあんなに意地悪みたいな態度したんじゃない?
智恵は当時、そいつにこう話したそうだ。
約束守らなきゃダメかな?
そいつは守らなくていいと言ったそうだが、智恵は気まずい感じだったと言う。
その様子から智恵は、鈴木君ならと思っていたようだと言われた。
俺は約束は守られてないよと、嘘を言った。
当たり前じゃん、六年生だよ?とそいつは笑ったが、実際は守られていた。
智恵のプライドと言うか、根性と言うか、強いものをやはり感じた。
俺は、智恵が行った私立中学、エスカレーターで入った高校の学園祭に行った。
智恵に会うことが出来た。
智恵との会話で、彼氏が学校にいることがわかった。
それ以降智恵とは会ってない。
※元投稿はこちら >>