ここでは俺と祐希の高校時代に絞って書きます。
入学して、俺は祐希が同じ学校にいることに気づきませんでした。
入学後にクラス名簿みたいなのを配られたんですが、俺はそれをよく見てませんでした。
俺は四組、祐希は一組でした。
入学して一週間以上も過ぎたあたり、帰ろうとチャリ置き場にいたとこで、俺は突然声をかけられました。
『和雄君、〇〇団地、〇小の和雄君』
振り返ったらそこに女の子が一人立ってました。
祐希とは全く気づきませんでした。
小学校時代の祐希は細くて、顔も細面でした。
髪は肩にかからないくらいの長さでした。
振り返って立っていた女の子は、長めの髪をポニーテールにゆわいて、細面と言うよりやや丸くて、しっかりとした体つきの女の子でした。
『はい?』
俺が不思議そうな顔してると、その女の子は言いました。
『祐希だよ?覚えてる?』
忘れるわけありません。
あまりの変わりように、俺はただ驚きました。
小学校時代の面影が、あまりなかったんです。
とにかく細い、そのイメージはなくなってました。
しっかり必要な肉がついたと言うのか。
クラス名簿で俺がいることを知った祐希でした。
それから話しをするようになり、卒業式のときの話しを出したのは俺でした。
覚えてるよ、じゃ付き合わない?うん、いいよ。
こんな感じであっさり交際へとなり、俺が童貞卒業したのは、交際開始から二週間もたたない、高校一年のGW中でした。
前にも書きましたが、五年生のときの体とは違い、すっかり成熟されつつある体でした。
それまで、小学校のときの秘密には触れないでいたのに、俺の初体験済ませた直後に、祐希は前書いた通りの博のこと、その後ちょっと男性不信気味だったことを、一気に喋ったのです。
俺の初体験の感動は、その祐希の言葉にかき消された感じでした。
小心者の俺は、博と祐希がどんな風にしたかを、聞けませんでした。
避妊とかどうしたんだろうとか、疑問はたくさんありました。
でもその後、祐希は小学校時代の話しを封印しました。
過去は過去、という理由で、俺も里子と二人だけで遊んだことは、言いませんでした。
中学時代はサッカー部だった俺、でも肝っ玉小さい俺は、スポーツ向いてないと思い、ほとんど活動実態のない生物園芸部に所属、祐希は実家に住むようになって、祖母から教わるようになった書道部でした。
試合だ大会だ練習だと、日曜もない部活じゃない分、二人の時間は取れました。
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