窓から入る日の光だけで照らされた廊下は、多分生徒が歩き回るのは久々だろう。
埃っぽいが当時貼られたであろう掲示物の残骸が画ビョウで留められている。
変色したわら半紙のプリント、覗き込んだ教室の黒板には半分消された「年月日」と「今日の日直」が書かれている。
改めて何処からか生徒の声が聞こえそうで少し不気味さも感じていた。
「木造校舎って凄いね!」
声を潜めつつ興奮した様子で窓から見えてしまわない様に腰を屈めたユキが目を丸くして喜んでいた。
「ちょっと気味悪いけどね」
同じくキョロキョロ辺りを見回し、腰を屈めながら俺も感じた感想を伝えた。
「早く見て回ろうよ」
見つかる前にさっさと見て回る事を提案しつつ俺は一階をうろちょろ始めた。
3つ残る教室は、端の一部屋を残してそれぞれ物置として運動会で使うような道具やよく解らないものが納められていた。
「二階に行こうか?」
一階はつまらないのでユキに提案した。
「じゃ、先に行くよ!」
相変わらず何の役にも立たないはずだが腰を屈めながらユキは階段を登り始めた。
俺もそれに続いて同じく腰を屈めて後を追った。
「!」
見上げればユキのスカートから紺色のブルマーのお尻が丸見えだった。
何て事ない風景なんだよ、当時は。
みんな女子はスカートの下にブルマー履いてたしね。
でも二人だけってシチュエーションに思わずマジマジと見いってしまい、なおかつちょっと興奮した。
階段の踊り場でユキが振り向いた。
「早く来なよ!何も無いって!」
距離を開けてモタモタして歩く俺を、見つかるかもと警戒した姿勢だとでも思ったのか眉を寄せたユキが手招きした。
ちょっと恥ずかしくなりうつむきつつ足音を抑えつつ隣まで駆け上がった。
「面白いね」
肩を並べるように近付いたユキが声を潜めながら俺に顔を近付けてきた。
「そうだね」
さっきのブルマーと顔が近いせいでやたらと顔が熱くなった。
二階は逆に物が少ない。
椅子や机が並ぶ姿を想像してたが、それは新校舎に移動したのか、あるいは捨てたのか、棚が教室の端にあり、数える程の傷付いた机と椅子が置いてあるだけだった。
壁には「あいさつ」とかそんな感じの掲示物が残り、壁には当たり前だが生徒の作品もなくガラーンとした印象だった。
「意外と何も無いね…」
拍子抜けしてガッカリした俺が呟くと、同じく期待してたであろうユキも同調していた。
「なんだぁ…」
ガクンとそのまましゃがみ込んだユキはガックリ肩を落とした。
俺もユキの前にしゃがみ込んだ。
「なんも残ってないかぁ」
呟く俺の目の前ではスカートの中身をチラチラ見せたままのユキの姿があった。
「他も見ようか?」
不意に顔を上げたユキが俺の顔を見た。
慌てて目線をユキの顔に視点を合わせた。
「そ、そうだね、トイレとかもあったし見てみようか!!」
まだ見てないトイレ見学を提案する俺。
何かに気付いたかチラッとユキは自分のスカートに一瞬視線を落としたが俺の提案に同意して立ち上がった。
※元投稿はこちら >>