『そうかな?』
『あいつが気にしてるのはそこだけだ。拓也が×気にしないってなれば?って聞いたら、そりゃ拓ちゃんならいいかな?ん~でも拓ちゃんに迷惑だよな~だとよ』
『さっきの電話では、そんなこと言ってなかったよ、優子』
『言えねーべ?あいつからそんなこと。×なんか気にしないでなんてよ』
『ま~ね』
『あとはお前達次第だ。親父、まだあの世でお前達のこと心配してるぜ?きっと』
『わかった』
俺は考えた。
両親はいずれ亡くなる。
妹は結婚して北海道だ。
孤独な老後はしたくないな~、老人の孤独死とかニュースでよくやってる。
優子なら幼い頃から気心知れてるし、美人だし申し分ない。
でもな~ほんとにその気あるのか。
俺に気を使ってるだけなのかもとか。
何ヶ月悩んだか。
もしかしたら優子のこと、彼氏とかいるかも知れないし。
直接、優子に言うのは気が引けた。
だから優子兄に電話した。
『俺は×二つなんか気にしない。そう言ってもらえないか?』
『直接言いずらいか?』
『うん、ちょっとね』
『わかった』
数日後、直接優子から電話がきた。
『あんな話、気にしちゃダメって言ったじゃん!』
ああやっぱりその気ないんだなと思った。
『そうだよね?ごめんごめん』
『だってさ~、私はこっちで仕事してて、拓ちゃんはそっちでしょ?無理じゃん』
え?その程度?と思った。
『K市とK市、常磐道で二時間くらいなもんだ。そんな遠い距離じゃない』
『マジで言ってんの?』
『いい年してそんな冗談言えないよ?×二つなんか関係ないよ。優子が好きなんだよやっぱり』
ついに言った。
『ほんとに~?困ったな~』
困る?やっぱり彼氏とかいるんだなと思った。
『いや、ね?なんかお父さんやお兄ちゃんの術中にはまったのかな~って』
『お前の気持ち、聞かせろよ』
優子は電話の向こうで黙ってしまった。
かなり長い時間。
時計を見て約六分も黙っていた。
『いや、その話あって、気にはしていた。でも現実問題、お互い仕事あるし、無理だよねって思っていた。でも車で二時間、私の通勤時間と大して変わらないんだと思うと。現実身を感じてます』
『精神的な部分は?』
『私は拓ちゃんなら全然。いいです。でもほんとのほんとなの?』
『ほんとのほんと』
『じゃあとりあえず、付き合ってみることから始める?』
『ガキんときから付き合ってるじゃん』
『あ、そうだね?あはははは』
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