二人は楽しそうに笑っている。明るい母親に生意気盛りの娘。これで父親がいれば、よく見る風景だろう。
モールをぶらぶら歩き店を覗いて回る。洋服に小物、雑貨と見るがあいりは何も買わなかった。
「欲しいものはないの?」
「うん、大丈夫」
「怪我が治ったお祝いにプレゼントするよ?」
「いえそんな、だめですよ」
そう言う真由美に笑いかけて
「あいりさん、あのアクセサリー気に入ったんでしょ?」
「あ、うん…可愛いなって」
「よし買いに行こう」
雑貨屋に戻るとあいりは同じものを三個手にした。
「友達にもあげるのかい?」
あいりはニコニコして僕をレジに連れていく。
通路のベンチに座ると袋を開けアクセサリーを取り出した。
「三人でお揃いにしよっ?はい、ママもはい♪」
自分は家の鍵につけ、僕らは携帯に飾り付ける。あいりは満足そうに笑っていた。
「ほかに欲しいものないの?」
「うん、ない。はい、行こ」
あいりは二人の間に立ってそれぞれの腕にしがみついていた。
あの日以来、真由美とは電話で話すだけだったが、ある日あいりが海に行きたがってると言ってきた。真由美はあまり暑いのは苦手だからお願いしたいと言う。
土曜の朝、あいりを乗せ海へ向かう。昔遊んだ知る人が少ない入り江を選ぶ。数組の客が遊ぶ静かな海だった。
Tシャツを脱いだあいりの水着に目を見張った。
「去年のだからちっちゃいかも。おかしくない?」
とこちらを向くと、小振りながらしっかり膨らんだ乳房を水色のビキニが包んでいる。
が、谷間が開き横と下に少しはみ出しぎみだった。
「あちゃ、可愛いけど大胆すぎるよ」
顔を赤らめシャツで隠したがすぐ水に走って行った。ひとりでバシャバシャするのを見ていたが手招きされ一緒に遊ぶ。
あいりは小さな波に押されて抱き付いてくる。浮輪をはめて手を引き深みも泳ぐ。
時折ブラやお尻のズレを直す仕草は大人のそれで、気を抜くと変な気分になりそうだった。
浜でオイルを塗ってやる時、初めてその肌の感触を味わう。うつぶせのか細い首筋、細い腰から引き締まったお尻に目を奪われる。
「あいりね、すごく楽しいの。なんかママも前より笑うんだよ」
「ほらお母さんにありがとうって言ったからじゃない?」
「そうかなぁ?ママは好きな人いるんだよ、絶対」
「へぇ、じゃあキミも好きな人できたんだ?」
「うん!いるよ!」
「いいね、青春だ(笑)」
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