こうして文にすると、俺の必死さと単純さが露呈した非常に恥ずかしい台詞だが、そう言ってしまったものは仕方ない。
「はい……」
そして、それに従う便璃も便璃だ。
小さいポーチみたいな物を持ってバスルームに入る便璃。確かに鍵を掛ける音はしなかった。衣擦れの音と、風呂とトイレを仕切るカーテンを引く音だけが聞こえた。
(うは……思っていたよりたまらないかも)
一つ扉の向こうに、全裸の少女がいる。もうそれだけで、その場で自家発電できてしまうくらいの興奮度だったが、流石にそれだと台無し過ぎるので、どのタイミングで突入するのが良いか分析を始める。
(まぁ、シャワーの音が止んだ途端に入るのが一番いいんだろうな)
分析するまでもない。そうすれば、風呂からあがった便璃とばっちり鉢合わせできる。
早速イメトレを開始しようとするが、シャワーの音が聞こえる前に、突如風呂場のドアが開きだした。ビクッとなる俺。
(あれ?)
忘れ物だろうか。まさか俺が怖くなって「やっぱり明日入ります」とか言い出すのではあるまいな。と、考える。
「!?」
出てきた便璃の姿は、そんな俺の考えを吹き飛ばす程に衝撃的だった。
ザ・全裸。バスタオルもショーツも一切身に付けていない、生まれたままの姿。
(な……な……)
俺、唖然。一方便璃の方は堂々としており、今まで着ていた物と思われる綺麗に畳まれた衣類を、俺が座っているベッドとは別のベッドに置き、そのままの姿で、なにやらガサゴソと自分のバッグの中を探り出す。
胸の大きさは「この手の少女に興味のある人が理想とする大きさ」よりやや小さい程度(まな板+α)。乳首は白(に見えた)で、その時立っていたかどうかは覚えていない。それよりも肋骨が怖かった。
一方下の方は、残念ながら前傾+足を閉じるという姿勢だったため、割れ目を確認することはできなかった。毛はない。
「……」チラッ
便璃が一瞬こっちを見たことで、バッチリ目が合ってしまった。その途端、みるみる内に顔が赤くなる便璃。
「すげえ、緊張で首元まで真っ赤になるの初めて見た」とか、「そういえば裸眼を見るのも初めてだな」とか、どうでもいいことを考える俺。
手を伸ばせば届く距離に、全裸の少女がいる。膨らみかけの胸、まっさらなデルタゾーン。地上の穢れを全て浄化してしまいそうなまでに美しい俺だけの天使が、息も届くほどの距離で、顔を真っ赤にして立っていた。
続きます。
※元投稿はこちら >>