今、あの子の家のある町のビジネスホテルに宿泊中。
俺としては、大きな展開がありました。
昨日の金曜日が、あの子の二学期終業式で、クリスマスイブ。
だから先日手紙で、夕方から会いに行くつもりです、って約束してたのに仕事で行けませんでした。
午後5時過ぎに緊急の現場があって、それからほぼ徹夜。
今日の午前11時にやっと交代が来てくれたから、シャワー浴びて直ぐあの子の家に飛んで行きました。
昨日はクリスマスイブの夕食をあの子が作ってくれてる筈だったから、怒ってるかも?ってちょっと心配だったけど、全くそんなことは無し。
かえって
「お兄ちゃん、全然眠ってないの?
大人の人って、皆大変なんだね。」
って同情って言うか、優しくしてくれました。
でも、あの子だって試験前なんか、睡眠3時間だったみたい。
ちょっと遅めのお昼ご飯をご馳走になって、その時に、取って置いてくれたクリスマスケーキ もいただいて、腹が満たされたら、恥ずかしい事に、あの子の家に居るのに眠たくなっちゃいました。
あの子が
「お兄ちゃん、ちょっと眠った方が良いよ。」
と言ってくれて、お母さんもソファーでお休みなさい、って言ってくれたから、ダウンしちゃいました。
二時間くらいして目が覚めたんだけど、目を開けたらあの子の顔がすぐ側にありました。
それだけでもキュンてなるのに、あの子の手が俺の額に当てられていました。
「お目覚め?お兄ちゃん。
ずっと良く眠ってたよ。」
って言われたけど、鼾かいてなかったか?変な寝言言わなかったか?って思ったら、すごく恥ずかしかったです。
その後、起き上がりながら、俺は額に当ててくれてたあの子の右手を握りました。
つい握っちゃった感じだけど、今考えたら結構強く握っていたように思います。
考えてみたら、春の事は別にして、俺の方から積極的にあの子の肌に手を触れたのは、今日が初めてのような気がします。
あの子も嫌がらなかったみたいだし(そう思いたいです)、そのままちょっとの間、握っていました。
気がついたら、あの子が俺の顔をじっと見つめてるんです。
それで、キスしました。
ただし、あの子の手の甲にです。
キスして顔を上げたら、あの子は嫌がっても喜んでもいないような、西洋の絵にあった天使のような、無表情にも見える不思議な顔に見えました。
あの子は、そのまま無感情、無表情で、ずっと俺の顔を見てたけど、その間俺もずっとあの子の手を握っていました。
しばらくしてあの子が
「お兄ちゃん、ナイト(騎士)様みたい..」
って言いました。
そこまででした。
家の中にはお母さんもいたし、俺もそれ以上する勇気も甲斐性もないし。
部屋の中は、あの子が静かなクラシックの音楽をBGMのような感じで掛けてくれてたのが、印象的でした。(パッハルベルのカノン、G線上のアリアって曲目を教えてくれました)
ロマンチックな音楽とか雰囲気に飲まれてしまっただけなのかもしれません。
あの子の手にキスしたのが、良かったのか悪かったのか、早すぎたのか、とか考えきれません。
ちなみに、現場の交代があると思って、夜帰るつもりだったんだけど、あの現場は完了して交代は要らないとのことでしたので、今夜は近所のビジネスホテルで一拍です。
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