独身野郎の一人暮らしですから、何もないに決まってます。
『ダメじゃん。近くにコンビニかなんかある?』
俺はコンビニの場所を教えると、美晴はさっと出て行き、買い物をしてきました。
食パンとオレンジジュース、マーガリン、あとカップ野菜サラダ。
美晴はパンにマーガリンを塗り、それをフライパンで焼き、サラダとオレンジジュースの朝食を用意してくれました。
それを食べて仕事に向かいました。
何時くらいの帰りかを聞かれ、七時くらいと答えました。
帰宅すると、部屋は綺麗に掃除され、俺の溜まった洗濯物もすべて片付けられ、おまけに部屋には炊いたご飯の香りが漂ってました。
『お米なんかどうしたの?』
『スーパーで買ってきたに決まってるでしょ?5kg持ってくるのつらかった~。炊飯器は汚いし、掃除大変だったよ。ガスコンロも汚いし』
そんなに手のかかった夕食じゃなかったけど、ご飯に味噌汁、鮭の焼き物、おつけ物、それが嬉しかったです。
中学二年がそれをしてくれて。
買い物代金を払おうとしたら、半分は私が食べるのだからと、半分しか受け取りませんでした。
そんなような日が四日ほど続き、美晴が転がり込んできての初の俺の休み、美晴を市内に連れていきました。
あちこち見て回ってははしゃぐ美晴、新しいスニーカーを買ってあげました。
そしてアパートに戻ると、美晴は携帯を手にしました。
『四日?五日ぶりか?お母さんにメールする』
そう言って携帯を操作していた美晴、少しして美晴の携帯が鳴り、美晴はそれを見てから、俺に画面を見せました。
『こうゆう親だから』
画面にはこう書かれていました。
『あまり迷惑かけないようにしなさいね』
それだけで、娘を心配してるとか、そうゆう物は全く感じられませんでした。
信頼しきってたのかもしれません。
その日の夜でした。
寝床に入った美晴が俺に語りかけました。
『私って魅力ある?』
『あるよ?』
『襲いたくなる?』
『なるよ?我慢してるんだよ俺』
『我慢してるんだ(笑)』
クスクス笑った美晴が続けました。
『気のせいかも知れないけど、お父さんの私を見る目がね、最近おかしいなって思うようになったんだよね』
『血がつながってないから、そう見ちゃうのかもよ』
『だから怖いんだよね。お父さん、お母さんより六つも若いしさ』
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