ガキのメールで驚いた。
「昨日、変質者に襲われかけたの。
胸を触られて、連れて行かれかけたけど、うまく逃げたよ。」
なんだと。俺の天使に悪戯する奴がいるとは・・。許さん。
自分の事を棚にあげるって俺の事だな。
でも、そんな事考えたのは、さっきガキの家にたどり着いてガキの顔を見てからだ。
会社を早退して、ガキの家に飛んで行った。
当然だけどガキは無事だ。
「学校から帰ってたら、なにか地面を探してるような男の人がいたから声を掛けたの。」
「コンタクトレンズを落としたって言ったから、一緒に探してあげようと地面を見てたら、
いきなり後ろから胸を抱きかかえられたの。」
苦しくなかったか?怖かったろう。
「最初、訳が分からなかったからパ二クったよ。
抱えあげられて車の方に連れてそうになって、やっと悪い人って分かったの。」
車に?大丈夫だったか?
「うん、車のドアを開ける時に私を一度下に降ろしたから、その時逃げたの。」
怪我とかしてないか?良く逃げられたな。
「手を振りほどいて逃げ掛けたら、左手を掴まれたの。
すごい力で痛かったよ。」
「私、必死で手首を返す技をしてみたの。
でも、相手が強すぎて離さなかったかったから右手で眼つぶしをしたの。」
相手の力が強かったんだ。危なかったな。
「うん、指がちょうど目に入ったみたい。
私の手を離したから、お兄ちゃん助けてー、って叫んで逃げたよ。」
本当に危なかったな。それで、どうなった?
「急いで110番したの。お巡りさんいっぱい来てくれた。
そいつの車のナンバー覚えていたから、お巡りさんに教えたらすぐ見つけてくれたよ。」
それじゃあ、そいつは捕まったんだね。
「うん、私も警察まで行ったけど、刑事のお姉さんが覗き窓越しにその男が坐ってるのを見せてくれたの。
この男だった?って聞かれたから、そうです。間違いありません。って答えたよ。」
どうやら、ガキは無事だったらしい。
鬼畜の俺が言う権利は無いがガキが無事で本当に良かった。
ガキの合気道が身を守る役に立ったんだよな。
ちょっと待てよ。
ガキがその気なら、俺がガキに鬼畜をしかけた時に俺も眼つぶしをされてたはずだな。
未だに、ガキが俺の鬼畜行為に甘んじていたのか分からない。
また明日、仕事が終わったら顔を見に来る約束をして今日は別れた。
明日の夜は、ガキの勉強を見てやる約束だ。
本当は教えてもらうことなんか無いはずなのに・・。
可愛いぞ。俺の天使。
※元投稿はこちら >>