日帰りで3時間の再会だった。
小雨の中、幹線道路沿いのショッピングセンターで、
ガキは待っていてくれた。
小さな水色の傘をさして、前に見たショーパンを履いて。
車から降りたら飛びつかれるかと思っていたら、意に反し
て、俺の頭の上に黒い大きな傘がさしかけられた。
死んだ父親の傘を大切にとっていたんだろうな。
遠慮なく使わせてもらう。後ろから見れば、黒い大きな傘
と水色の小さな傘が並んで、親子に見られるかな?
こんな柄にもない空想をしながらガキの家に着いた。
母親に挨拶して、2階のガキの部屋に行く。
今日は3時間しか一緒にいられない。
本当の恋人同士ならどう過ごすんだろう。
昼間で、しかも同じ屋根の下に母親が居るんだ。
抱いてやるべきか?
答えはガキが出してくれた。
アルバムを持ってきて俺の膝に坐る。服を着たままでだ。
これで十分だ。
ガキの軽さ。髪の香り。柔らかで華奢な身体の感触。
ガキはアルバムを開いて、写真を指さし話しをする。
幼稚園から面影は全く変わらないな。
周りの子と比べて痩せてるな。
水着姿なんて痛々しいぞ。
でも、笑顔は今と全くおんなじだ。
時々、ガキが下から俺を見上げてくる。
くそー、可愛い。俺の天使は可愛いんだ。
あっという間の3時間。正直帰りたくない。
でも、ガキは健気に俺の膝から立ち上がる。
「もう、約束のお時間ね。」
そうだよな。けじめをつけなくっちゃな。
「男の人って、いつもお仕事大変なんだよね。」
うん、そうなんだ。分かってくれるんだよな。
「今度、私が行っても良いかな?」
来いよ、待ってるぞ。・・て言いたいけど、俺、大丈夫か?
以前の鬼畜はどうした?ほろびたか?また復活しないか?
しばらく沈黙が続く。
よし、来いよ。
ガキが俺を信じるんだから俺も信じられるようになるさ。
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