続投稿者の出現に感化されて、少し書いてみます
雪だるまから、コメント欄の体験談好きの皆さんに贈る、少し早いX'masプレゼントがわりです(笑)
長くなるので暇な時にでもどうぞ(笑)
《冬休み》彼女のバイト編
少し前になりますが、こんな事がありました
彼女は高校卒業間際から、イベント・コンパニオンのバイトをしている
理由は「短い時間拘束で効率的に稼げるから」と彼女は言っていたが、俺から言わせれば「目立つし・ちやほやされるのが気分良いだけなんじゃない?」って思っていた
実際には、その問い掛けを口にしたことは無い
彼女の主張は「学校を疎かには出来ないけど、経済的に自立したいと思ってる。学費に関しても、生活費に関しても負担に思われるのが嫌!何年掛かるか分からないけど絶対に返すから…」というものだった
父親にしても俺にしても、《負担》と思ってるなら援助なんてしないのに…
それが彼女のモチベーションになってるなら、俺が口を挟む余地は無いと思った
仕事柄その業界とは少なからず接点もあるので、あまり良い印象が無かった
始めの仕事こそ名の通ったイベントだったが、繋ぎの仕事として紹介されるのは《スーパーでコスチュームを着させられての、試飲・試食会》だったり、《カタログ撮影のエキストラ》だったりだ
そんなバイトの給料なんて思ってる程貰える筈もなく「我慢してる割には収入にならない!」とボヤき出した
これは絶好の好機だ!と思ったので、兼ねてから考えてた案を話してみた
俺「バイト面白くないなら他のバイトでもしてみれば?」
彼女「他って言っても時給の良い仕事は、拘束が長かったりするからな~」
俺「じゃ、今度はお金目的じゃなく、経験が将来に役立つような仕事にしてみれば?」
彼女「将来?」
俺「そう!法曹界を目指すなら、今のうちから内情を知っておくのは役立つと思うよ」
彼女「でも、どんなバイトがあるのか?知らないし」
俺「じゃ、会社の弁護士の先生に相談してみるよ」
彼女「ふ~ん」
こんなやり取りだったので、彼女は本気で俺が考えてるとは思って無かったようだ
数日後、会社で弁護士に会ってお願いをすると「一度会ってみましょう」と了解が取れた
バイト先を私が勝手に決めてきたので、余り気乗りのしない彼女は「嫌な感じだったら直ぐに辞めるからね」と言いながらバイトに行った
私は、キャンギャルの仕事に嫉妬心が無かったと言えば嘘になるが、彼女の将来《弁護士になりたい》と言う夢を叶え易くする上でも役に立つバイトと考えて行動したつもりだった
会社の顧問弁護士の事務所に頼む訳なので、リスクは多いに考えられた
一番気に掛けたのは、会社に彼女との同棲が発覚する事である
独身なのだから、どこにも疚しい所は無いのだが、彼女の年齢からヤッカミや好奇心を掻き立てられる連中は少なからず出てくるだろう
立場的にそんな好奇な目で見られる事は避けなくてはいけないと思っていた
弁護士の先生には「将来弁護士を目指してる知り合いの娘なんです」と伝え、何の疑いもなさそうに快諾してくれた
業務内容については、何の希望もしなかった
初日、面接?から帰ってきた彼女は「面白そうな先生で安心した。取り敢えず受付とお茶出しの雑用係になったよ」と笑顔で報告してくれた
その笑顔を見て、自分の判断は間違えて無かったと胸を撫で下ろした
彼女の行く弁護士事務所は、弁護士を4~5人雇ってる所で、顧問の先生曰く「小さい事務所なんで、バイトに来て貰ってもね~」と聞いていたので、受付なんてあるとは思ってなかった
後日、先生が来社された時に、お礼かたがた様子を伺おうと近付くと、「いい娘を紹介してくれました。よく気が付くし、いつも元気で笑顔なので事務所に帰るのが楽しみになりましたよ」と先に話掛けられてしまった
その場には、他にも数人居たので「何?・何?、何の話?」と言われ、先生がいきさつを話してしまい、私は、「余計な事を言わないでくれ~!」と祈りながら作り笑顔でその場に居ましたが、本心は逃げ出したくて仕方なかった
先生に詳しく話して無かったので、心配する事態にはならずに済んだ
この分なら彼女も上手く口裏を合わせてくれてるとばかり思っていたのですが、その日の帰宅後一日を報告すると、彼女が「へ~、先生全部知ってるよ。私、話したもん」と言い放つではないですか!
思わず食事中にも関わらず「えっ~!」と声を上げると、「ご飯粒飛んだよ」と怒られた
話しのきっかけ作りとして私の話しになったんだろうが、彼女は聞かれて直ぐに「一緒に住んでます」と答えたそうだ
先生も驚いたようで、知り合ったきっかけや親の承諾等、質問攻めにしたようで「弁護士相手に嘘を突き通すのは、私には無理!」と訳の分からない理由を言われた
言わなきゃ分からないのに…
流石に家出中に知り合ったとは言わずに、「昔からの知り合いで」と口を濁したらしい
私が頼んだ先生以外には、まだ知られてないのが、せめてもの救いに感じた
あの時先生は知ってるのに話さなかったんだと思うと、少し安心出来た
二人きりになると、根掘り葉掘り聞かれそうで、少し距離を置かなくては…
我社は今、労組と長期病欠・療養中(自律神経失調症等)の処遇改善に付いて交渉中で、労務士と弁護士が毎日のように来社している
会議で同席する事も多く、彼女がバイトに行くようになって一週間くらい過ぎた時に、弁護士と目が合い会釈した時の笑顔が気になった
会議が終わって自分のデスクに戻ろうとエレベーターを待っていると「○○さん、今夜時間ありますか?」と後から来た弁護士に聞かれた
何の用か?は想像出来たが「えっ?時間は作れますが、何でしょう?」と聞くと、「じゃ、お酒でも飲みながらお話しましょう」と笑顔
断り文句のつもりで「すいません。私は車ですので飲めないんです」と言ったのに「じゃ、食事にしましょう。○○ちゃんも一緒にご馳走しますので」と半ば強引に約束させられた
デスクに戻って彼女にメールすると「今事務所に居るけど、何も聞いてないよ」と返ってきた
彼女に「同席すると邪魔くさい話しになりそうだから、理由を付けて断って」とメールを送った
約束の時間になり、気がすすまないので逃げようか?とも考えたが、嫌な事は早く済ますに限る!と思い返して行く決心をした
さながら免停講習に行く前の心境のようだ
指定のお店には先に着いてしまったようで、まだ弁護士は来てなかった
料理屋でただ待つのも手持ち無沙汰に感じるので、突き出しを頼み待つことにした
暫くすると賑やかな一行が入ってきて、先頭の弁護士の横には彼女が居た
帰れって言ったのに…
挨拶もそこそこに、奥の座敷に通されて、「今日は○○ちゃんの歓迎会なので、紹介頂いた○○さんにも来て頂きました」と紹介された
総勢10人程の宴会の開始だ
酒は飲まない約束だったのに、「乾杯くらいは…」「車は置いて帰ればいい」と言われ、断って場をシラケさすのも…と思い、飲む事にした
離れて座った彼女は、他の事務員の人と仲良さそうに話しをしている
話題は二人の話しにはならず、仕事の話しや趣味の他愛もない話しに終始していた
これなら邪魔くさい話しにはならないかな?と思っていると、隣に先生がビールを継ぎに来て「毎日楽しいでしょうね」なんて言ってきた
多分還暦は迎えてる歳の先生から、意外な発言だった
先生「会社の人達は知ってるの?」
俺「いえ、誰にも話してません」
先生「じゃ、事務所でも言わない方がいいね」
俺「はい。お願いします」
先生「ところで○○さんは、今独身だったよね?」
俺「はい。離婚して三年目になります」
先生「じゃ、彼女の卒業を待って結婚とか考えてるの?」
俺「さ~、どうでしょう?その時になってみないと何とも言えないですね」
先生「そうなの?彼女はその気みたいだよ」
俺「そうですか…」
一体どこまで彼女が話してるのか?分からないので迂闊に話せないのと、彼女の気持ちを始めて知った驚きとで、それ以外の返事が出来なかった
先生「取り敢えずウチで預かってる間に、弁護士の仕事を見て貰いますね。多分想像してるより地味な仕事ばかりで幻滅させてしまいそうだけど…」
俺「いえ・いえ。本気で目指すなら実情をしっかり見ておいて欲しいから先生にご無理を言ってお願いしたのですから、ビシバシ鍛えてあげてください」
先生「ん~。○○ちゃんは私には孫くらいに思えるから、厳しくは無理だね~」
俺「そう言わずに、お願いします」
先生「厳しいかどうかは分からないが、一通りは見て貰うようにしますね」
俺「ありがとうございます」
終始笑顔でビールを継ぎ、満足そうに離れて行った
前から彼女の発言には驚かせられているが、今回はどこまで本気で考えてるのか?が分からないので、敢えて彼女には確かめないでおこうと思った
歓迎会だけあって、彼女にスピーチを求める声が上がった
渋々立ち上がり、恥ずかしそうに自己紹介と挨拶をすると、若干アルコールの回りが早い連中が、彼女に質問をし始めた
弁「彼氏は居るの?」
彼女「はい。居ます」
弁「なんだ~、居るのか。居ないなら立候補しようと思ったのに…」
この時点でキレる準備
弁「別れる予定は?」
彼女「全く無いです」
弁「若いのより年上の方が良いんだよ」
彼女「そうですね」
弁「じゃ、別れちゃえ!」
彼女「彼は年上ですから」
弁「へ~。そんな感じだよね」
彼女「もう良いですか?」
弁「じゃ、最後に。この中で選ぶなら誰がタイプ?」
彼女「○○さんです」
彼女が即答したので、場の皆が一斉に私の方を見た
余りにしつこい質問にイラッとしてたので、作り笑顔が間に合わず、苦笑いをするのが精一杯だった
弁「へ~。渋い趣味してるね。俺より年上だと思うよ」
彼女「そうですか?私には、○○さんの方が若く見えますけど…」
弁「こりゃ~、嫌われたかな?」
この一言で笑いが起きて、やっと彼女への質問が終わった
あのままイラッ!としたままなら殴っていたかも知れなかった
名前だけの歓迎会も終わり、アルコールが入ってしまったので車で帰る事も出来ず、代行業者に連絡をして車で待つことにした
質問をしていた若い弁護士が、彼女を頻りに二次会に誘って「余りシツコイと女性に嫌われますよ!」と彼女に嗜められてたのを遠目に見ていた
店を出ると二次会に行く者と、帰る者とに別れた
会費を受け取って貰えなかったので、二次会の店を紹介して精算をこちらに回すように手配した
彼女を見ると、チラチラこちらを見てチャンスを伺ってるのが分かったので「○○ちゃん、帰るなら送って行くよ」と声を掛けた
彼女は「ハイッ!帰ります。送ってください」と周りに宣言するかのような大きな声で答えた
若い弁護士は、あからさまに(チェッ!)という表情をして「送り狼には気を付けるんだよ」と言った
彼女は気に留める事無く、事務員の女性にだけ挨拶をして俺の側に来た
俺が先生に挨拶をしてると、横に来て「これから宜しくお願いします」と言って皆と別れた
二人っきりになると、いつもの癖で腕を組もうとするので、目で「ダメ!」と意志を伝えた
車に戻り、代行業者に連絡しようと思うと「お腹空いた!」と彼女が言い出した
「歓迎会で食べたのに?」と聞くと「お喋りが楽しくて、殆ど食べなかったの」と甘えてきた
確かに俺も関係がバレないかとヒヤヒヤしてたので、酔いもまわらず食べ足りない気がしてきた
車から降りて、店を探していると、良い匂いのするラーメン屋を見付けた
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