私は世間の相場を知らず、あの子は自分の価値を分かっていなかった。
私が事が終わって身支度をしたあと万札を5枚手渡した時、少し困ったような顔をして手にしたそれを見たあと私に3枚返したんてす。
こんなに要らないってね、残りは次に会うときにって、
つまり、また会ってくれるって言ったんです。恥ずかしそうに微笑んで。
そんな子なんです。
私が相手が子供だからこんな事をしてるんじゃない、君が女性として素敵だからと言った時に見せた、あの嬉しそうな顔が忘れられない。
私はいつもずっと自分のことを偽物、紛い物と思って生きてきました。
本物として一度も戦わずにホンモノを真似て生きてきた。
私は鷹のように鳴き、鷹のように飛びながら、その実は小さくて、弱い昆虫ばかり捕らえて生きている軟弱者だと。
まるで鳥玄坊みたいだとね。
だけど、違った。
鳥玄坊だって立派な猛禽類。
その誇りを持ってあの子に対峙しようと思う。
あの子の将来のためにてす
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