ペンネームを入れるのを忘れました。
「悪」で書きます。別に深い意味はありません、何となくです。
学校のグラウンドの直ぐ脇に、一軒の家があって、ソコにはイタズラと言うより、ほぼ性行為をされた女子が住んでいたんです。そう、当事者です。
中学の二年生だったから、14歳かな。
その家は何代も続いた古い家で、美沙子ちゃんとその話をしていると美沙子ちゃんが変な事を言ったのです。
その家のトイレは浄化槽式でまだ和式なんだとか。
私の家も浄化槽と地下浸透式だったので何も不思議には思いませんでした。
山の中で下水などありません。どこの家でもそうだと言うと、便器が和式なのが珍しいと彼女は言うのです。
確かに私の家も学校のトイレも便座タイプになっていました。
美沙子ちゃんがニヤニヤ笑っていました。
盆踊りの曲が流れ、特別な照明と、提灯で学校は明るく、その光で美沙子ちゃんの顔も見える程度の暗さでした。
その家に行ってみようと美沙子ちゃんが言うので理由を聞いたけど笑って答えず、ただ私の手を握って引っ張ります。
そして何故か家の裏側に行くのです。
夏のこと、藪蚊がワンワンしてる中、二人で虫除けスプレーを体中に振りかけながら、私は何をまっているのかも分からないままトイレの外壁にしゃがんでいました。
美沙子ちゃんは村長さんの孫娘ということで私の親から美沙子ちゃんのわがままは無条件で聞いてあげるように言われていたこともあり、ただ意味不明ながら黙って付き合っていたのです。
突然美沙子ちゃんが人差し指を唇に立てました。声を出すなと言う合図です。
そして指差す先には明かりが見えるのです。
家は古く、和式便器の前には今では絶対に見られない掃き出しの小さな引き戸が床の高さについていました。
美沙子ちゃんが私に耳打ちします。
その掃き出し口の引き戸を開ければオシッコが見れると、
家の基礎は高く、膝を着けば便器の高さです。
恐恐にしゃがむと美沙子ちゃんが横から引き戸を僅かに開けました。
そこには中学2年生の女子がしゃがんで放尿していたのです。
でも、明かりが上からなので一番見たいところは影になり暗くて見えません。
用を足すと紙で拭いて立ち上がり、パンツを上げる時に毛の生えたスジがようやく見えたのです。
トイレの扉が閉まり、明かりが消えると私たちは口に手を当ててクスクスと笑いました。
立ち上がって盆踊りへ戻ろうと振り返った時です。
美智子先生が私たちのすぐ後ろに、立っていたのです。
あまりにも驚いてしまい二人して声も出ません。
何をしていたか、先生は全部見ていたから、言い訳は聞かないと言います。
美智子先生はどうも美沙子ちゃんが村長の爺さんの傘を被り生意気な言動をするのが気に入らなかったみたいでした。
美沙子ちゃんの腕を掴むと先生を見ろと言います。そしてこの事を盆踊りに来ている村長に今直ぐに報告すると脅しました。
美沙子ちゃんは泣き始め、私も項垂れたまま立ちすくんて身動きもできません。
すると先生が私達に特別な教育が必要だと言うのです。今日は村のみんながいるから許してあげるけど、明日、先生の家に必ず来るようにと厳しく言われたのでした。
知られずに済むならと黙って二人で頷いた、それが全ての始まりだったのです。
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