『ティク(高橋)には気をつけろ』とは言ったが、
まさか、あんなことになるとは・・・・・。
あの日からも、集まる時は今まで通り子供らしい振る舞いの遊びを続けた。(男子のスケベ視線も含む)
葉月はあの日のことは誰にも話さずいてくれて、普段通りのお友達を貫いた。
『久しぶりに六人集まったな』
『ほんにな』
『今日、何する?』
などと話しながら公園に向かう。着いてすぐにかくれんぼしよう、となりジャンケンで負けた高橋君が鬼となった。
これは命懸けで最後まで隠れきらなければならない。
何故なら高橋君が鬼役の時は、見つかったらオプションが付いているのだ。
例えば、捕まえついでにカンチョーをされたり、アイアンクローをされる。痛がったり、抵抗して暴れれば暴れるほど高橋君は悪魔の様な笑いを浮かべ力を込める。
『い~ち、・・に~い、・・・さん、しぃ、ごっ!』
イタズラに数える速度を早めてふざける高橋君。
私は一緒に逃げてる湯浅と中筋と走りながら
『こら!ティク!』
『普通に数えろ!馬鹿!』
などとなじりながら
『どこ隠れる?』
『俺、あっち』
『じゃあ、俺も』
と申し合わせて二た手に別れた。
私はオブジェのSL機関車の石炭庫の箱の中に湯浅と二人で。
中筋は、その時どこに隠れたかは知らないが後に衝撃の場面で見つける。
かくれんぼ1回戦で高橋君の餌食にならなかった者二人がいた。中筋と葉月だ。
私の子供の頃のローカル・ルールで『1回戦で見つからなかった者は2回戦も続けて隠れ続けて良い』があった。
一応、呼び掛ける。
『た~く~み~、く~ん!、こ~さんだ~よ~!!』
これで出てこなければ、2回戦開始。
『い~し~ば~し~、さ~ん!、こ~さん!!』
呼び掛けに応答無し。高橋君に最初に捕まった内田が鬼で2回戦開始。
私は着いてくる高橋君を振り払い、縦長に広い公園の端の町内会倉庫の裏に隠れ・・・ようとした、のに・・・
そこにはパンツをくるぶしまで脱がされ下半身を弄られている葉月の姿が。相手は中筋。
『ちょ、匠、何しちょーかい!?』
『・・・・!』
『キャッ!!』
すぐに二人は身体を離し、取り繕う。
『や、違う、な、な、黙っとけや』と中筋
『何したかい?』
『・・・・・』黙っている葉月
『いいだろ、分かるだろ?お前も』
分かるけど、分かってたまるか。
『何考えてんだ?お前・・・』
先日の自分を棚に上げ中筋をなじる。
気まずい雰囲気の中、中筋は
『お前にも見せてやるけん、黙っとけや』
『ハァッ?何言ってんだ?』私は楯突く。
とにかくやめよう、となり、かくれんぼに合流。私は中筋と葉月はの間に入り歩きながらムカムカしていた。
ネトラレ気分とは、こう言う感じか。
先を進む中筋の背を確認しながら葉月に視線を反し
『いつから?・・お前、誰ともアレやってんの?』と聞いた。
『・・・・・。』
何も答えない葉月。
その日は、何事も無かった様に振る舞い、日暮れに解散した。きっと私は鬼の形相で見つめていたのだろう。中筋は葉月との距離を取り、先に走って帰って行った。
その後、渡しの憎悪は葉月に向けられた。
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