テトラ下を数個越えると、手を向かい側のテトラに付いて斜めの姿勢で固まったままのまゆが居た。
『ししょぅ~動けない~…』
「ほら、言った通りに直ぐになって…しょうがないなぁ」
ちょっと後ろからひっぱってあげれば元のポジションに戻れるが、それじゃつまらない。
「抱っこするから動くなよ!」
手を付いているテトラに足を伸ばし、後ろから抱きしめ
「動くなよ本当に、暴れたら二人とも落ちるからな!」
『うん。』
脇の下から手を回し、二の腕でちっぱいの感触を確認。
ちゃんと存在している。ノーブラで柔らかい。
意味もなく二回抱きしめ直し、堪能したあと「よっと!」と元のテトラ側に運んだ。
これが同級生の娘じゃなければ、読者の皆様と同じ様に、固まった体勢の女児に…って展開を考えるのだが、さすがに出来ません…
「よし。体は大丈夫?」
と、確認してみると、伏せ目がちに
『うん…大丈夫…』
まずかったようだ。もう胸を触られたのを理解している。少し女の顔をしてる感じがした。
《まずかったかな…姉に言われちゃ困るなぁ…》
色々と考えながら、テトラ歩きのアドバイスを喋って誤魔化した。
『もう上がる…』
なんか本気でヤバそうな気配を感じた。
………………………………………
防波堤に戻り、《やばいなぁ…でも言い訳はあるから大丈夫かなぁ?…》など考えながら、高い場所から竿を垂れていると、隣にぴょこんと座るまゆ.
『ししょ~、面白かったね!なに釣ってるの?』
最初と変わらない笑顔で接してくれた。
考えてみると、もう五年生。しかも女の子だらけの家庭の末娘。耳年増になっててもおかしくないし、今年あたりには性教育を受ける年頃だ。
その子が自分なりに折り合いを着けて、無かった事にしてくれている…今回はそう思う事にした。
「ん~、ヒラメだよ。群れに付いて来てるかもしれないから釣れるかも。」
『私も釣ってみたいっ!』
「まゆの道具じゃ無理かなぁ、糸が細すぎるし。」
『え~……』
「今度連れてってやるよ!」
『うん!行きたい行きたい!』
とりあえず大丈夫なのは間違いない。
約束を交わし、今回は焦らず安全策で行くと決めた。
皆で楽しい釣りを終えて、釣果をわけあい帰宅。マドンナからはお礼のメールと笑顔の写真が数点送られてきた。
『また連れてってね!二人ともハマったみたいっ!』
との事で、心底安心した。
帰郷を終えて、自宅に戻り数十日後。
ラインに『さすがに子供たちのストレスも凄いから、開放させに来週日曜日に釣りに行ってくる!』とマドンナからの連絡があった。甥っ子に連絡し、段取りと今回もコーチとして同行させるよう指示を出し、「頑張れよ~、釣果報告待ってるよ!」と送り数日後。
『前回より全然ダメだった~』
写真には20匹下回る程度の魚で、1日中やってた割にはさみしい釣果が写っていた。
『まゆがねぇ、師匠が居たら絶対もっと釣れてた!って言うの…師匠って誰の事?って聞いたら…』
「あ~…前回ずっと師匠言われてた(笑)」
『約束してるって言ってたよ』
「ヒラメ釣りな。仕方ないから連れてくよ」
『実は…私もしたい!』
「おぉ、そうか。仕方ねぇなぁ、高いぞ!」
『えっ、いくらぐらい掛かるの?』
「お金はかかんないよ。御礼はそうだなぁ…釣れた魚をアテにマドンナ家で飲みかな!若いキャバ嬢三人居るし!」
『あぁ!私入れてない!』
「ママやん。若くもないし(笑)」
『ん、それなら大歓迎よ』
こうして次回の帰郷が楽しみになっている状況が現在です。
もう始まってしまったGWだが、なんとなく帰り辛い御時世なので今回は諦めるか、いまだに迷っています…
続けられますように。
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