少女との体験

あの子はその後姿をみせなくなったけど昨夜また会えた。
前とはちょっと離れた別なコンビニのイートイン。外は寒いからこっちへ移動したのかもしれない。
大きなカップ麺を黙々と食べる姿があの子によく似てるなと思って気付いた。間違いない。
変なことをしたら犯罪なのはわかっています。
ただどうにも気になるのでまた店内へ戻り女の子の席へ行った。
500円硬貨を差し出すと目を丸くして見上げてくる。美形ではないけど目を細め笑顔になるとちょっと可愛い。
コクんと頭を下げて受け取った。覚えているらしい。
明日もまた来る？と聞いてみたら小首を傾げ困ったような表情。目元・口元は笑顔のまま。
やっぱりよく見るとかわいい笑顔。
オレは外の車に戻り彼女の出てくるのを待った。
出てきた彼女に車の窓から送ろうかと声をかけたらうつむいて目だけ見上げるようにして首を振った。
そのまま走り出して国道を渡って行った。
でもなんで一言も発しないのか。まだあの子の声は一度も聞いたことはない。
あの子の姿の消えた交差点へ車で追いかけてみたが見失った。
目についたのは身障者グループホームの施設くらいあとはアパートや一般住宅。
やっぱりあの子は何か障害持っていてここの施設の住人だろうか？
謎は深まるばかりなれど餌付けには成功した。
犯罪を犯す気はないからご安心ください。

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