公園に現れた亜希子は一生懸命に記憶の糸を辿っているようだった。
何処かで会ってはいるが、誰だったか覚えがない・・・そんな感じだ。
「亜希子ちゃん久しぶり。△△の兄のYです」
そう、亜希子は自分の3つ下の妹の友達なのだ。
妹の部屋に何回か遊びに来ていたし、妹も亜希子の家に遊びに行っていたようだ。連絡先は妹の机にあるクラスの連絡網で簡単に分かった。
簡単な世間話をしたあとすぐに要件を切り出した。
「ところで亜希子ちゃん、こんな写真が俺のところに回ってきたんだけど?」
写真には亜希子とその二人の仲間、そしてカバンに入れられかけているリキュールの姿。
「俺のバイト先で事務所にあったんだけど、万引き犯の写真でさ。警察に提出する予定のものを借りてきたんだけど。」
使い捨てカメラとはいえ2メートルほどの距離から撮れば顔などは鮮明に写る。不審感丸出しな三人だったのでタイミングもバッチリだった。現像した奴の腕が悪く端の方が色合いが狂ってるがそこは問題じゃない。
「これ、亜希子ちゃんだよね?」
初めは否定していたが、妹からその日亜希子達の所属するテニス部が合宿でコンビニのある街にいた事、裏付けが取れていること(コレはカマをかけただけ)を伝えると亜希子は震えながら認めた。
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