『そのトライアスロンやるけん、体鍛える練習かい?』
『うん。』
面倒臭いのか、短い答えしかしなくなった。
ここらが潮時か。
『じゃあな。先行くけん』
一気に加速し、帰宅した。
それから、ほぼ毎日、ヨシコと走りながらtalkタイムテーブルがメニューに加わった。別に私はなんらかの競技選手を目指してる訳でも無いから、ジョギング時間が、どうこうシフトチェンジなんてことはない。
相変わらず、スク水で走っている。気持ちだけでもトライアスロン選手なのか。
どう見てもスクール水着の女児が場違いな田園風景で走っているだけにしか見えない。
『青山(純子)と(セックス)したのもヨシコ位の時か』
小さく呟いたつもりだが息が弾んでたので、割りと大きく出たらしい。
『エッチ』
『は?…あぁ、ごめんな』
それ以上、何も言わないのが賢明だ。ばつが悪いと思いながら走る。
やがて工務店が見え始めたので『じゃあな』と手を上げて、先に行こうとすると
『ねぇ』とヨシコ
『ん?、何?』
『……………』
立ち止まり、再び『何?』
『私、強くなれる?』
速くなれる?では無く、強くなれる?に違和感。
『それだから走り込みしちょーがや。まだ小学生だけん、分からんわ。』
アドバイスなんて柄でもない。考える間もなく口が先に動いていた。
『んっ、そげだね』
そのままヨシコは走り出して自宅前の坂を登って行く。
その後ろ姿を見詰め、私はヨシコを追いかけた。
振り替えるヨシコの腕を掴み、農作業小に引っ張っり、戸を閉める。
『脱げや』
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