携帯電話番号を交換してしまったこと。これがそもそもの、失敗の始まりだった。せめて文通にしておけばよかった。
携帯電話番号を交換しておくと、たしかに大きな安心感につながってくるのは確かだと思う。しかし、遠距離恋愛をする者にとって、携帯電話が必ず最適なツールなのかといえば、俺はそうではないような気がする。
実際のとこ、携帯電話を持っているメリットは、いつでも連絡ができる。っていうこの1点のみ。しかしデメリットは、連絡がつかないと不安になる。着信履歴があるのに、かけなおしてこない事にはいら立ちを感じる。そして当時はかけ放題プライんなんてないので、なにより通話料がかさむ。という大きなデメリットだった。
俺も地元に帰ってからは、ミホちゃんと毎日のように連絡を取っていたが、そう毎日電話ばかりしていると、話す事も自然と無くなってくる。毎日の電話が、3日に1回になり、そして週1回になっていく。そしてメールの頻度も同じ。少しずつ、間隔があいていくのだった。
俺もそうだけど、相手もそうであるように、今までやったことのないアルバイトを始めたり、いろんな新しいことにチャレンジをする事によって、今まで聞くこともなかった、「バイト先の〇〇さん、部活の〇〇先輩」というように、新しい男の名前をミホちゃんから聞く回数も増えてきた。行動範囲が一気に広がってくる年齢でもあったのだ。
連絡してもつながらない事も多くなった。二人の時間は二人だけの為に存在している訳ではなかったのだ。こんな不安や、いら立ちの中で遠距離恋愛するのなら、最初から相手を信用しきって、手紙で文通をしておけば、俺はこんな事にはならなかったと思う。
あっという間に半年が過ぎた。お互いの間には、今は遠距離すぎて恋愛感情も落ち着いているけど、また会えば情熱的にもりあがるんじゃないか。という希望的憶測の中、別れるとかそういうのはなかったが、俺の生活も、ミホちゃんの生活も、自分たちが中心での生活でなくなっていたのは事実だった。そんな半年だったら、残りの半年もあっという間に過ぎていた。
そしてまた同じ夏休み。。。ミホちゃんに会えること、そして今年こそは!!と決意し、俺はミホちゃんとの約束の場所へ向かうのだった。
そして俺は、衝撃の事実を知ることになる。
次回へ続く
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