お互いを励ましあうような話をするうちに、俺によこしまな考えが持ち上がる。
うまくいけば信子とやれるかもしれない。
最低な男と非難浴びること覚悟の上、童貞の俺には、その頭しかなかった。
とにかく信子を励ます、話を聞いてやる、誉めるに徹していた。
秋、お母さんが夜勤のとき、信子がまた来た。
私なんか女の子として魅力ないから~みたいな話をした信子。
俺は否定的な言葉を羅列した。
見た目はそうかもしれない、でも信子ちゃんは素直で優しくて、心は可愛い女の子なんだと思う、そんなようなことを言ったと思う。
口下手な俺にしては、よく話せたものだと思うほど。
黒縁メガネの奥が、ウルルと潤んでいるのがわかった。
よこしまな考えの俺は、心の中で、ヨシ!と思っていた。
ティッシュを渡すと、信子は目を押さえ、鼻をかんだ。
ありがとう、嬉しい、そう言って笑った信子の手を掴んだ。
びっくりしたように手を引っ込めた信子。
でも信子は引っ込めた手をまた出した。
手を握った。
『信子ちゃんにキスしたい』
手を握られながら、信子は顔を横に振った。
『絶対やだ?ダメ?』
信子は首を少し傾けた。
迷っているようだ。
『そうか、俺では嫌かな?かっこ悪い男だからね』
信子の傾いた首が、立ち上がって、また顔を横に振る。
『そんなことないよ。キス求められる女の子と、自分で思ってみなかった』
俺は黒縁メガネを信子から外した。
『俺もしたことないんだ。お互いファーストキス。してもいいかな?』
信子の顔が、やっと縦に振られた。
そして信子は目を閉じた。
タラコ唇は柔らかかった。
数回唇を合わせた。
信子をギュッと抱きしめてみた。
抵抗なく抱きしめられた信子。
俺の胸に、信子のパンパンの胸が当たる。
もう勃起していた俺。
『エッチしたい、信子ちゃんと』
閉じていた目を、はっと開けた。
『いや、それは』
そう言いながら、また顔を横に振った信子。
目の前にあった、デカい膨らみの右を、左手で包んだ。
その左手の手首を掴んだ信子。
包んだ手は、そのデカい膨らみから外された。
『あの、あの、ごめんなさい』
ばっと立ち上がり、ドタバタと信子は出て行った。
事を急ぎ、俺は嫌われたと思った。
翌朝偶然、信子と会ったが、信子は挨拶もそこそこ、さっと学校へと走った。
何日かが過ぎた。
お母さんが夜勤というときは、ほとんど来ていた信子が来ない、終わりかなと思った矢先。
信子が来た。
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