あれやこれやで、三人で上のホテルに入る事になった。
『付き合うなら、遅かれ早かれ、・・・になるよ』
話の駆け引きで出た私の言葉が決め手になった。軽蔑され逃してしまうリスクはあるが、焦らされるだけ焦らされて(主観)解散なんて、帰宅時間が遅くなっただけで、壁にも八つ当たりできない。半ば捨て身の術に出てみた。
美保も知佳を守る側かと思いきや、在庫処分の叩き売りみたいに『持ってけ、泥棒!』感でまとめてくれた。
ホテルの真下にいたが、ネットの空き室情報を確認、予約クリック。自分は1人でフロント階に上がり、知佳ちゃんと美保は先に予約室のフロアに直接行かせた。
カードキーを受け取り、はやる気持ちでエレベーターで上る。
廊下を折れた非常口前で怯えた小動物のように寄り添う知佳ちゃんと美保。
『・・行こうか?』
私はキーを持った手を扉の方を指して微笑んだ。
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