mを引き寄せたその手は一人の女性を扱うそのものだった。mは静かに目を閉じていた。その顔は普段、見ている寝顔そのものだった。
同時に彼女が風呂から出てきたらどうする?と、まだ自分に理性いや罪悪感、いやこの感情、思想はなんといえばいいものかわからなかった。
寝たふりをしていた僕はmを抱き寄せ自然に足を足へとまわした。寝ぼけているんだ、誰かと寝たらこーなるものなんだ、とmが正気であったとしても誤魔化せると信じた。
抵抗するものだと思った。しかし最初からmからは何一つの抵抗も感じなかった。
しばらくこのまま。
いや、もっと大胆に。
悩んでいると、mが寝返り対面から僕に背を向ける形へと替えた。これはまずい。変態、いや嘘つきの自分だからこそ思った。対面ていたらか彼女に見つかってもmも僕も何してるだで終わる。むしろ、mに対して父がいないからという感情さえわくかもしれない。
だが、僕に対して背を向けていて僕がmに抱きついていたら状況は悪い。過去に若干ロリ好きと彼女に対して告白してるだけに、このポジションはただの変態にしか見られないかもしれない。
僕は状況を冷静に分析し、
さむいから動くなよ
言葉と共にすぐにmの向きを反転させるように手を回し成功した。完璧だと思った。
その後、二度ほど同じようなやりとりをした。三回目は不自然だと観念したときだった。
mが突然体を起こして僕に話しかけてきた。
ねぇ、横じゃなくて縦に寝ない?
最初なんとことかと思った。しかしすぐにわかった。
彼女とmの布団を二枚敷いてある部屋で、流れから寝た僕とm。そのなかで二つの敷き布団をまたぐように布団に対して横向きで寝ており腰のあたりが落ち込むようになっていた。最初はやめてよ、などといった拒否発言をされるのではないかと焦りさえも感じた。普通に考えれは当然だ。
う、うん。そやな。
僕はこのあと違う布団に別れてしまうことを考えたが諦めて二人を包んでいた布団を手に一つの敷き布団に横になった。
さて、上布団をかけて寝ようと思ったとき
すっと、その布団に自ら入ってきたのはmだった。
mの発言は拒否の発言ではない。
ただ、単純に寝づらいからといった本当に何一つ拒否の感情はない、天然、いや自然の言葉そのものなんだと知った。
知った。
知った。
知った。
知ってしまった。
だからこそ
僕は僕自身の欲望に歯止めがきかなくなったことを知った。
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