mが布団に、僕の隣に入ることを確認し僕は布団をかけた。また一枚の布団が二人を包む。
僕は大胆だった。
体をよせて完全に抱きつき背中に手をあてた。mは寝たふりをしている。それはわかる。なぜなら僕は嘘つきだから。他人の嘘ぐらいすぐわかる。
mはこの状況をどう思っているのか?
僕には家庭がある。
しかし彼女にはそれは話してない。子供いることは話している。しかし、母方が育てており僕は同居どころか籍もいれてないと嘘をついている。夏に一度、彼女とmと僕の子供をつれてバーベキューに行ったことはある。外から見れば一つの家族だ。だが、真実はとても複雑なものだ。
だから僕は毎日彼女の家にいるわけでもない。平日は週に二度ほど。夜10時には帰る。休日も家にいけても夕方5時には帰る。ましてや泊まるのは一ヶ月に限られていることはもちろんだ。泊まれても夜中におきて仕事と嘘をつき帰るのがほとんどだ。
もともと彼女は僕をまともな仕事ではないと思っているし
妻は僕が酒のみだから飲んだら遅い、金曜日の夜なんかはいなくてあたりまえと認識している。
それが嘘をつけている最大の理由なのかましれない。
mからみて僕は一体なんなんだろう。
突然現れ、家に生まれてから一度も母親が男をいれたこともなかったのに。
ましてや母と寝て、一緒にいて。
それでも外に子供がいて。
きっと今の中学生なら理解できるのかもしれない。だけど、純粋なmには理解できないのかも知れない。
ただ一つ確かなことは、そんな謎の男と自分は抱き合い同じ布団の中にいることということだ。
焦ることはしない。
しかし僕は焦った。
彼女が風呂から出てきたら終わりだから。
しかし、かれこれ二時間近くは彼女は風呂にいる。それはそれで心配になってきた。
だが僕の気持ちは何処までmにしていいかだった。
自分のこの素直な気持ちをmに行動で僕はとった。
すっと、mの背中にあった手を服の下の腰回りにやった。mは手を払った。が、僕は腰回りに手をとどめた。
振り払う=起きている
振り払う=拒否
起きている+拒否=逃げる
この計算式にmは当てはまらなかった。
そのまま、何をされるのか待っている。そんなのうな気がした。
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