有名リゾートホテルのスイートがどういう物か、由香にはピンとこないらしい。
私もスイートに泊まるのは、新婚旅行以来だ。
とにかく豪華、行けば分かると由香に説明する。
ホテルの玄関で、ベルボーイが荷物を預かりカウンターに案内してくれる。
それだけで感動してる由香。
宿泊カードに、二度と使う事の無い住所と電話番号を書く。
名前の欄に植村 隆弘と書き、由香にまわす。
由香は私をチラッと見て、私のサインの下に植村 由香と書いた。
満面の笑顔で、カードを受付に渡す。
ベルボーイに案内され、最上階にあるスイートに。
セキュリティカードが無ければ、スイートのある最上階に、エレベーターは止まらないシステムだ。
驚く由香に、カードを見せて説明する。
案内された部屋は、オーシャンビューで太平洋の水平線が窓いっぱいに広がっていた。
由香はすごいすごいを連呼する。
荷物を運び込みベルボーイが去った後、入れ違いに客室係がやって来て、お茶を入れてくれた。
部屋の設備やシステムについて説明を受けた。
私の横でかしこまって話を聞く、由香の姿が可笑しかった。
「奥様」と声をかけられ、一瞬きょとんとする由香。
慌てて「ハイ」と返事するが、顔は真っ赤だ。
コスメ類や部屋着のサイズ等の説明を受けてるのだが、一々ハイと返事をする様に、私は思わず笑ってしまった。
最後に食事の時間を確認すると、客室係は部屋を出ていった。
「も~う、ターくんなんで笑うのよ」
「すまん、だけどあんなに緊張するか」
「だって急に奥様って言うんだもん」
あの客室係が奥様と言ったのは、親子程は歳の差が無いと認識したのだろう。
それに今日は、由香もしっかりメイクしている。
夫婦に間違われご機嫌な由香は、早速部屋の探索を始めた。
寝室を覗いては、ベットの大きさにはしゃぎ、洗面所やトイレの広さに驚く。
バスルームから海が見える~、本当に露天風呂がついてると報告に来る。
すでに浴槽にお湯が張られているので、早く入ろうとせがむ。
喉が渇いたので、ビールを飲んでから行くと言うと、早く来てねと投げキッスをしてバスルームに消えた。
冷蔵庫からビールを取り出し、喉に流し込む。
由香の姿が目の前に無いと、隠していた心が痛む。
これで良いのか、本当に由香の為になるのか?
結局自分の為……
今ならまだ間に合う?、何を…泣かすのは俺。
駄目だ、もう決めた事…後悔はしない。
「ターくん!まだ~」
バスルームから由香の呼ぶ声がする。
残ったビールを一息で煽り、飲み干した。
バスルームに行くと、由香は露天風呂の方に入っていた。
ベランダにつくられた露天風呂に続くドアを開けた。
眼下には太平洋が広がる。
さすがに裸では風が冷たい。
湯舟には四人くらいは入れそうだ。
私が体を沈めると、お湯が洗い場に滝の様に流れた。
由香が体を寄せて来る。
「ターくん遅いからのぼせちゃうよ」
「ごめんな」と言いながら、由香を抱き寄せる。
由香の背に回り、後ろから両手で乳房を鷲掴みする。
アンと甘えた声をだす。
乳首を弄り、首筋にキスをした。
由香の手が私の男根を握る。
片手を秘部に差し込み指を沈めた。
ヌルりとした感覚が指先に伝わる。
由香を目の前に立たせ、自らの手で秘部を開かせ、舌を差し込んだ。
アンアンと喘ぐ。
室内側に戻り、由香のフェラを楽しんだ。
恥ずかしがる由香を壁に手をつかせ、バックから挿入する。
「アンアン、気持ち良いよ~」
激しく腰を打ち付ける
今はゴムをしていない。
逝きそうになるのに堪え、由香を逝かす事に集中した。
「ア~駄目、逝っちゃう!イクイク~」
由香は背を反らし、ガクッと腰が落ちる。
バスルームで一度由香を逝かせた後、ベットで再び抱き合った。
私も由香の中で果てた。
ツーリングでの疲れもあって、由香は小さな寝息をたてていた。
化粧をしていない由香の顔は、やはりまだ幼さを残している。
その無邪気な顔を見ていると、不覚にも涙が溢れて来た。
由香に悟られまいと、静かにベットを抜け出す。
部屋着を羽織り、ベランダに出てタバコを吸った。
微かに波音が聞こえる。
もう遅いのだ、もう引き返せない。
寒さに耐え兼ね部屋に戻ると、由香が起きて来た。
そろそろ食事の時間だと言うと、慌てて身支度を始める。
乱れたベットも整える。
そんな事はしなくても良いだろうと言うと、見られたら恥ずかしいと言う。
寝室のドアを閉めてれば分かるはず無いのだが。
そういう由香がまた可愛い。
フランス料理のフルコースとも思ったが、実は私が苦手なので、和食の懐石を部屋食でお願いしていた。
食事を運んで来た客室係は、すっぴんの由香を見て「奥様お若いですね」と驚いていた。
何となくその反応が面白く、客室係が出ていった後二人で笑った。
由香も日本酒をちょっぴり飲んで上機嫌だった。
食事の後、館内を散策し、お土産を見たりして過ごした。
寝る前にもう一度抱き合った。
チェックアウトぎりぎりまで部屋で過ごし、ホテルを出る。
ハイテンションの由香も支払いの時は、目を丸くしていた。
由香との時間も残りわずかだ。
最後のサービスエリアで、GWの予定はどうしようかと尋ねる由香に、仕事の都合がまだ分からないと答えた。
サービスエリアを出れば、流れ解散になる。
私の降りるインターチェンジは、由香より二つ手前だ。
いよいよ別れの時が来た。
ウインカーを出し減速する。
さよならのハンドサインを由香に送る。
由香も追い抜きざま、ハンドサインを返す。
料金所に続くループが涙で霞んで見えなかった。
……さようなら、俺の由香。
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