由香との付き合いは、その後も続いた。
そんな中少なからず、変化はあった。
自由な足を得た由香は、放課後や土、日に私のアパートに、頻繁に出入りする様になった。
合い鍵を渡したので、私が不在でも、炊事洗濯をしてから、ちょっとした伝言を残して行く。
私が休みの日には、放課後やって来て、短い逢瀬だが、互いの肉体を確かめ合った。
ただ最後の一線は、越える事はなかった。
由香が二年生になった春、携帯電話が普及し始め、私も購入した。
毎日由香の声を直接聞ける様になった。
由香は益々バイクにのめり込み、二年生の頃には結構知られたライダーになっていた。
髪は肩まで伸び、胸も順調に成長。
抜群のスタイルに革ツナギ、ヘルメットから少し出た髪をなびかせて走る姿は、目立った。
夏休みには、三泊四日で九州一周のツーリングにも、二人で行った。
この頃私の周りにも変化があった。
別れた妻が再婚した。
すでに未練はなかったが、彼女を幸せにしてやれなかった事には、後悔があった。
また父親が体を悪くし、入退院を繰り返す様になったので、実家に帰る事が増えた。
その都度、母親が再婚を勧めるので困った。
由香との将来も考えないではなかったが、彼女の前途を思うと、気が引けてしまう。
まして親に16歳も違う高校生と、付き合っているとは言えなかった。
三年生になると、受験に集中しだした由香は、アパートに来る回数も半分になっていた。
二人でのツーリングも、3・4回しか行かなかった様に思う。
そして受験。
由香は、みごと地元国立大学の教育学部に合格した。
同じ頃、私には転勤の内示があった。
※元投稿はこちら >>