後から判った話だが、道端に立っていた女性はあさみの母親だった。
あさみの家の5~60m程手前で降ろして正解だった。
女性の立っていた所とあさみを降ろした場所は少しカーブになっていて車が止まってたのは判る程度なのでバレては無いだろう。
母親は、私の車が通過する際にじぃ~っとこっちを見ていた。
部屋に戻って、一人で祝杯だと缶ビールを飲んでテレビを見ていた。
夜10時過ぎ位か?携帯が鳴る。
液晶には、 あさみ と表示が出ていた
はいはいっ。
と電話に出ると
あっ、おっちゃん。あさみ。
さっき、めっさヤバかったって。家の前でな、おかあ立っててやぁ…。
あさみぃ~あんたは…。って10分位怒られたし(笑
で、車に乗せて貰ってたんかって聞いてきたし、
歩いてたら、車に乗った人が道に迷ったからって聞いてきて、国道に行く道は…って言われたけど、よう説明出来んから、しばらく走って行くと信号があるから右に曲がってしばらく行ったら踏切があってず~っと行ったら国道?県道?に出るけど。って言ったら、ありがとう。って走って行かはった。って言うたら、
あんたみたいんにも道聞いてくれやるんや。って嫌み山盛り言われたし
友達のユカにおかあ電話して、あさみ知らん?って。
ユカが機転利かして、由実佳と出て行ったとか言うてくれたし助かったって。
あさみちゃん、今は大丈夫なん?
あっ、おかあは今風呂やし大丈夫! やけど、もう上がるかもしれんし、おっちゃんまた電話するな。
おぅ、またな。
おっちゃんありがとう。
おやすみ~。
はい、おやすみ~。
と、電話を切った。
春休みも終わり、あさみ達は三年に進級した。
私はめぐみの父親の会社に週に2~3日出社して倉庫と置き場の掃除と重機回送やダンプ仕事をしていた。
ある土曜日の朝にめぐみの父親の会社(以降会社とする)に行くと、社長が待っていた。
さん、今日悪いけど、これで下関まで機械引き取りに行って貰えんやろか?場所はここやし。と、地図のコピーに連絡先が書かれた紙を一枚渡してきた。
確か、大型免許持ってたな?
あぁ持ってるで。
悪いけど頼んますわ。
台車の鍵はこれな。固定のワイヤーとかは背中の箱か工具箱にあるし。
それと、交通費とかで5万渡しとくわ。
明日の朝8時までに会社帰れるかなぁ?
十分行けますわ。
台車を車庫から出して出発の準備をしていると…。
めぐみが
おっちゃん、今日はどこ行くん?って聞いてきたので
今からこれで山口県下関まで機械引き取りに行くんや。
うそっ、めぐも行きたぁい。
社長が、
めぐみ、さんに迷惑やしお前は家で留守番しとけ§
と言われたが、めぐみは春休みどっこも行ってへんしいいやん。
と食い下がるめぐみ。
私が、めぐちゃんおとなしくしてるんやったら連れたるわ。
って言うと、社長が
さんあきませんて。
と、言うので、
まぁ社長、可愛い子には旅をさせろ。って言うやろ。
めぐちゃんも遊び半分かしらんけど、社長の仕事の中身を勉強するええ機会かもしれんで。
って言うと、
めぐみ、さんの言う事聞いておとなしいしいよ。
やったぁ、ドライブドライブゥ~。
仕事なのかめぐみの子守りか?
とりあえず、台車に乗って出発する。
続く
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