投稿者です。
何だか応援だったりご批判だったりで物議を醸してしまいましたが、やり方もよくわかってないし、最後まで同じ方法で突っ走ります。よろしくお願いいたします。
続きです。
“ピンポーン”
マンションの呼び鈴が約束の時間より10分遅れで鳴り、インターホンの画面を見ると、コートにマフラー姿の唯が映し出されていた。
長い髪の毛を後ろに束ね、インターホンの荒い画像越しにも凛とした美少女振りは一際だった。
ドアロック解除して、ドアの施錠を解いておいた。
速足でドアに近づいてくる足音。そしてバンと勢いよく唯は部屋に入ってきた。
「寒~い♪ごめんね。友達に捕まっちゃってなかなか帰れなくって」
「ああ、大丈夫だよ。それよりお母さんたちには少し遅くなるって言えたのか?」
「うん、友達とカラオケ行ってパーティーするから夜の8時くらいに帰るって言ってきた」
ピースサインしながら無邪気に笑う唯だった。
いつもは唯の門限を気にしながらの逢瀬だったので、いつもよりは遅くまで居れるってことだった。
「んで?アリバイ工作はちゃんとできてるのか?」
「うん、さゆりにお願いした。あのね・・・白状するとさゆりには俊さんとのこと包み隠さず全部話してあるの。その・・・そんな関係だってことも」
「え?!いいのかよ・・・」
「さゆりは信用できるの。応援してくれるんだよ、私と俊さんのこと」
「そっか、まあいいか、多分二度と会うこともないだろうしね」
「俊さんと私の結婚式には来てもらうから、最低でももう1回は会うわね」
得意げな顔で唯は見上げてきた。
よしよしと頭を撫でて、
「じゃあ、そのコートやマフラー脱いでそこの部屋着に着替えろよ」
唯用の部屋着もしっかり2着常備していたのだった。
「うん・・・じゃあ恥ずかしいからあっち向いてて」
「プッ!いつも俺の目の前で素っ裸で体クネクネさせてる奴がよく言うぜ」
「それとこれとは別なの!んもう!早くあっち向いて!」
「はいはい・・・じゃあ台所の方に行っとくから」
俺は唯に暖かいコーヒーを入れてあげる準備をしに行った。
しばらくゴソゴソする音がしてたが、気づくといつの間にか唯は俺の真後ろに近づいていた。
後ろからギュッと抱き着いてきて
「俊さん・・・大好き・・・」
甘えた声で囁いてきた。
俺も振り返り、唯を抱きしめながら
「俺も大好きだよ。さ、クリスマスらしくケーキを買ってきてあるんだ。冷蔵庫に仕舞ってあるから、唯、準備してくれないか?暖かいコーヒーと一緒に食べようか」
「うん。ウフフ♪」
「ん?どうした?嬉しそうだな」
「なんかこんなのって良いよね。まるで夫婦みたい。なんか幸せって感じ」
そう言いながらそそくさと準備に唯はとりかかった。
ケーキを食べながら唯の学校での話をいろいろ聞いて、そして一息ついた頃、
「唯にクリスマスのプレゼントを準備してあるんだ。ほれ、この袋、開けてごらん」
ミントグリーンの袋を渡したところで、もう中身が何なのか感づいたようで、
「もしかしてティファニー?開けていい?」
中には当時から流行っていたオープンハートのネックレスが入っていた。
中1の少女には高すぎるプレゼントだったが、どうしても唯にあげたかったから奮発したのだった。
「嬉しい・・・」
涙目になりながら、鏡の前でネックレスをさっそくつけた唯だった。
その鏡越しに俺と目線が合った唯は、
「俊さん、こっち来て」
と静かな声で言った。何かを心に決めたような表情で。
俺は鏡の前の唯の後ろに立つと
「俊さん、抱きしめて・・・」
鏡越しにそう言ってきた。
ギュッと抱いて、唯の頭の上に俺の顎を載せて、しばらく無言で鏡越しに見つめ合った。
「ねえ・・・俊さん」
均衡を破るように唯は消え入りそうなか細い声で話しかけてきた。
「私からのクリスマスプレゼント、もらってくれる?」
「お?唯からも準備してきてたのかあ。もちろん喜んでもらうよ」
おどけた様に応えたが唯の顔は真剣そのもののままで、
「私・・・・私をもらって欲しいの。私のバージン。今日は心の準備してきたの」
「え・・・?唯・・・」
突然大きな声で
「私ね、ずっと待ってたの。俊さんが私のバージン欲しがるまでずっと我慢してた。でも!俊さん、あれ以上進もうとしないし。私の心は俊さんのものだよ。でも体は全部俊さんのものになってない。私の全部を俊さんのものにして欲しいの!」
振り向いて俺の胸に顔を押し付けて、俺と目を合わさないようにして言った。
まるで目が合えば、その覚悟が揺らぐのを怖がるような感じで。
心なしか震えながら。
しばらく会話を進めることができなかった。
静寂が二人の間を流れた。
俺は意を決した。
「唯・・・お前のクリスマスプレゼント、受け取ることにしたよ。でも・・・怖くないか?」
「ほんとは怖い・・・痛かったらどうしようとか、あまり気持ち良くなくて俊さんを失望させたらどうしようとか、まだ幼過ぎてできなかったらどうしようとか、一人でそんなことばっかり考えてたの。でもね・・・もう一方で真の意味で俊さんに抱かれたい、俊さんのものにしてもらいたいって想いの方がずっと強いの。私はね、人生の中で好きな人は俊さんだけでもういいの。俊さんと結ばれなかったらもうそこで人生が終わりでもいい。あらためてお願いします・・・私を俊さんのものにしてください」
そう言いながら見上げた唯の眼は、もう覚悟が決まり切った強い眼差しになっていた。
「よし、俺の人生も唯だけ。だから唯をもらうことにする。ただし、俺も経験豊富じゃないから痛くないようにはできないかもしれないぞ。どうにも我慢できない時には唯は俺にそれを伝える、そしたらそこで俺は辞める、それでいいな?」
「うん・・・でも私、たいがいのことじゃ我慢できないって言わない。もう何日も前から覚悟して今日はここに来たの。」
「唯・・・」
「いいの。痛くてもいいの。痛いのは体だけ。心は絶対に喜ぶから。これはね、自信があるの、私」
「そっか。うん、じゃあ俺も覚悟の上で唯のこと抱かせてもらうよ」
俺は、唯の手を掴んでベッドの方に歩いて行った。
続く
ごめんなさい、今回もエロが無くて。
次でクリスマス編、終わります。
もう後数回で終わると思いますので、我慢してお付き合いください。
※元投稿はこちら >>