「けんが幸せなら良いもん…アタシを…こっちに戻してくれた人だもん…だから…サヨナラよりはいい…。」
アヤの言葉遣いに、いつものヤンチャさがありませんでした。だからこそ、私の心はえぐられて行くのでした…。
『ごめんな…ホントごめん…アヤ…ごめん…(泣)』
「…けん…。」
恥ずかしながら泣いてました。
ここまでアヤを大事に思えるのに、くぅちゃんに戻ろうとしている自分が、客観的に見ると不思議で成りませんでした。でも、自分の中でくぅちゃんのウェイトの方が勝っているのも事実でした。きっと甘ちゃんな私は、くぅちゃんは弱く、アヤは強いと勝手に思っていたのでしょう。でも今考えれば、アヤが強く感じたのは私と一緒だったからなのかも知れません…。
「…けん…ありがとう…アタシの為に泣いてくれんの…きっとけんだけだよ…。」
『…。』
「…でも…そんな事されたら…アタシ…もっとサヨナラできなくなるじゃんか!(泣)」
私とアヤは、好奇の眼差しを一身に受けながら、抱き合って泣き続けたのでした。
「…けん…。」
『ん?』
「大好きだよ…本気だよ…でも…明日からは一歩引くから…今日はいっぱい愛して…。」
『アヤ…。』
あのホテルの中、私達はベットに腰掛けて寄り添っていました。
アヤの言葉に、私に罪悪感がズッシリとのし掛かって来ます。
元カノを引きずったまま手を出すには、あまりにも良い娘過ぎました…。所詮自分も、ただやりたいだけの若僧なんだと思い知らされました。
そんな私のどんよりとした空気が伝わってしまったのか、アヤは急にテンションを上げて笑顔を作って来ました。
「ほらほら。アタシのナイスバディの抱き納めだよ!しっかりしてよねぇ(笑)」
そのテンションが逆に痛いんだよ…。
「けんのオチンチンも見納めだから、また一晩中味わっちゃうぞぉ(笑)」
だから…。
「…けん…。」
『ん?』
「もし…けんが悲しい思いをしたら…けんの彼女でも絶対許さないから…その時は…絶対渡さない…。」
アヤのスイッチはいきなり入って来るので、いつもドキッとさせられますが、この言葉は私の胸に深く刺さって、今も抜けずに残っています。
「けん…いつもみたいに…優しく包んでよ…。」
『アヤ…。』
私はアヤを抱き締め、唇を合わせました。アヤはいつも以上に積極的に私に舌を絡めながら、器用に自分の服を脱いで行きます。
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