約束の日、僕は待ち合わせのファミレスに、先に入って二人が来るのを待っていた。
待ち合わせ場所は、あゆみの住む町の隣町のファミレスを選んだ。最初、いつもの図書館に二人に来てもらい、車に乗せてどこかに移動しようかとも考えたが、あゆみの親友のゆきちゃんが、初対面の男の車に乗るのを怖がるかも知れないと思ったので、それはやめた。このファミレスは、あゆみの家の近くのバス停からバス1本で来られるから、JSの二人にも負担はかからないだろうと考えたのだ。
約束の時間を少し過ぎた頃、二人が店に入って来た。あゆみと、その親友のゆきちゃんだ。
あゆみは、同い年のJSに比べると背は高めで、スレンダーだがお尻やウエストはメリハリがあり、女性らしい体つきになってきているが、ゆきちゃんの方は背はあゆみより頭一つ分も低く、手足は細いがお尻もウエストもほとんど差がない、いわゆる幼児体型で、JS3と言っても通るくらいだった。
僕は、『これじゃあとてもセックスはムリだな』などと、そうなりたい願望があるわけでもないのに余計なことを考えてしまった。
あゆみは僕が座っているテーブルの所まで来ると、黙って僕の隣に座った。ゆきちゃんは僕の向かい側に座り、不思議な物でも見るような目で僕をじっと見た。
「あの… まさか、本当に?… あの、あなたがその、あゆみちゃんの、彼氏さん?」
ゆきちゃんは、かなり動揺した様子で僕に尋ねた。おそらく彼女はここに来て、実際僕を見るまでは、あゆみの話を完全には信じていなかったのだろう。
あゆみが、ちょっと自慢げな感じで僕をゆきちゃんに紹介した。
しばらく、気まずい沈黙が続いた後、またゆきちゃんが、
「あの… 二人は本当にその… お付き合いしてるの? 親戚のお兄さんとかじゃなくて?」
まだ疑われている。僕は、本当にあゆみと深い関係にある事を、具体的に説明しなければならないのか? と思ったが、ふと思い付いて、あゆみの肩に左手を回して抱き寄せ、右手で彼女の髪をかきあげ、キスをして見せた。あゆみの方も、まるで僕がそうするのがあらかじめ分かっていたみたいに、ごく自然に僕の唇を受け入れた。
僕が唇を離すと、あゆみは『おいしかった』とでも言うように唇をペロッと舐めると、ゆきちゃんの方に向き直ってニッコリ笑った。(こういう時のあゆみは、小悪魔的でちょっと怖い)
ゆきちゃんはしばらくあっけに取られていたが、やがて
「…本当だったんだ。あの…あゆみちゃんごめんね、何度も疑っちゃって。 よかったね。とっても優しそうな人みたい。あたし、会わせてもらって安心したよ。」
と言ってぎこちない笑顔を浮かべた。
僕はとりあえず、もう少し場を和ませた方がいいと思ったので、自己紹介がてら自分の仕事の話をした。失敗談やイヤミな上司の口まねを、脚色を加えて面白おかしく話して聞かせると、ゆきちゃんも次第に自然な笑顔が出るようになり、しまいにはあゆみと二人で声を上げて笑い出した。
話が一段落した所であゆみが切り出す。
「さて、このあとどうしようか?」
「あ、そうか。二人はこのあとデートだよね。じゃましちゃ悪いから、あたしは帰るね。」
「いっしょに来ない?」
「えっ?一緒にって、どこに行くの?」
「ん… この時間だと、ラブホかな?」
あゆみが『そうだよね?』と言うように僕の方をみたが、僕は『そうだよ』という顔をするのも気恥ずかしかったので、気付かない振りをして目の前のアイスコーヒーを一口飲んだ。
ゆきちゃんが、
「え… それじゃ、あたしますます着いて行けないよ。」
と笑いながら言うと、あゆみは急に真顔でゆきちゃんの方に身を乗り出し、
「あたしはゆきちゃんに見てほしい。いまあたしがどういうことになっているのか。キスだけじゃないんだよ。ちゃんと見て、わかってほしい。」
と、とんでもない事を言い出した。
僕は目を丸くしながら、当然ゆきちゃんは、あゆみの提案をことわると思っていた。ところが…
「でも… いいんですか?着いて行っちゃって。ご迷惑じゃ…?」
ということは、このゆきという少女は、僕が迷惑と言わなければ、ラブホまで着いて来て僕とあゆみがセックスする所を観察する気になっているのか!? いくら何でもそんな… 僕は二人が何を考えているのか全く分からなくなった。
しかしもしここで僕が大人ぶって、『他人にセックスを見せるなんて、非常識だ』みたいな事を言った所で、元々非常識な事をしているのは僕の方なので、全然説得力がない。
僕は仕方なく、
「二人がそうしたいなら、僕はかまわないよ」と言った。
結局その日僕は、少女二人を連れてラブホに行く事になった。
続きます。次回は濡れ場です。よかったらお付き合いください。
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