「アヤさん…。」
「はい?」
「くぅは…けんくんの大事さに気付いたから…もう…けんくんを傷付けないよ…。」
「…。」
「…。」
沈黙が3人を包みましたが、アヤが口を開きました。
「あの…アタシは…これで…。」
「アヤさん…。」
「?」
「アヤさんは…けんくんのどんな所に惹かれたの…?」
「…クミコ先輩がアタシの事をどの程度聞いてるか知りませんけど…アタシの恩人で…優しい人だから…。」
「…。」
「…。」
「ごめんね…くぅも…けんくんが居ないとダメなんだ…半年別れて…凄く解った…。」
「…。」
「あの時は…けんくんが忙しくて…少しかまって貰えなかっただけなのに…それっぽっちの事で不安になっちゃって…」
「…。」
「でも…けんくん以外の人を好きになれるはずなかった…。」
「…勝手です…。」
「え?」
「…クコミさん勝手すぎます…。」
ぬ…アヤが"先輩"と言わなくなった…。
「けん兄は…アタシと付き合ってくれてる間も…凄く悲し気な目をしてるときが有りました…。」
「…。」
「アタシは…けん兄がそんな目するのが嫌でした…クミコさんに勝ててないんだって…気付いてました。」
「…。」
「そんなに想って貰えてるのに…クミコさんは自分の事だけなんですか?」
「え…。」
「今日のけん兄は、週末のバイトで3時まで働いてました。掃除したりして、家に帰ったのは5時位のはずです…。なんで午前中に呼び出してるんですか?」
「あ…。」
「けん兄…目がこんなに充血して、クマだって…」
『アヤ!』
「!?……はい…ごめんなさい…。」
「…。」
もっと早くにストップかけるんだったかなぁ…。
私の一喝でシュンとなるアヤ。私の顔をチラッと見て俯いてしまうくぅちゃん…。
う~ん…どうやって収拾つける?
『くぅちゃん気にしないでよ。アヤはアヤなりに…。』
「…ごめんなさい…。」
『?』
「確かに…けんくんの顔…疲れてる…。」
『良いんだって。』
「くぅは…けんくんを苦しめるだけの存在なんだ…くぅはけんくんの近くに居ちゃ…。」
『クミコ!』
「!?」
『人の話を聞け!』
多分、くぅちゃんを怒鳴り飛ばしたのはこれが初めてだと思います。
『くぅちゃんは今が大事な時なのは良くわかってる。そして、周りの期待に潰されそうなのもわかってる。だから、今は良いんだ。ドップリ俺に甘えてくれ。俺を頼りにしてくれ。』
「…。」
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