最後のカードを使いきってから1ヶ月程たってから奈緒からメールが来ました。
【 奈緒です。覚えてますか?】
【 もちろん!お久しぶりです】
と返し、なんともないメールをやり取りしました。
もうサクラのバイトは辞めたみたいです。
その後 たまにメールのやり取りをするぐらいで、半年程立ちました。
奈緒は長く付き合ってる彼氏がいるみたいでした。
メールでは彼氏の話は、全く出てこないんですが
【 声聞きたいから 電話してもいい?】
とメールすると
【 彼氏に悪いから…】
と番号は教えてくれませんでした。
それでも、奈緒とのメールは続き 数ヶ月が過ぎ
ある年の冬に流星群がよく見れる時があり、奈緒とメールで
【 流れた!】
【 今?どっち?】
と送りあってるうちに
【 メールじゃ同じ流れ星か分からないね……電話だったら、分かるのにね…ダメ?】
と奈緒に送信すると、番号が書いたメールが送られて来ました。
【 今から10秒後に電話するね。10…9…8…】
と送信して10秒数えて電話しました。
ワンコールも終わらないうちに
「本当に10秒なんですね!」
と笑いながら奈緒が出ました。
久しぶりに聞く奈緒の声は、サクラのバイトの時と違い 少し緊張していて、言葉数も少なかったですが あの時よりも、ずっと親しみを持って話してくれました。
こちらも、あの時とは違い 少し緊張して あまり上手く話せませんでした。
流れ星を見ているせいもあり、お互い無言の時が多く たまに
「あっ!流れた!」
「えっ!どこ?どこ?」
と交わす程度です。
しばらく そうやって時間が過ぎてから、二人同時に
「あっ!」
と言い 少し間を開けてまた同時に
「流れた」
と言いました。
大きかったね とか よく流れるね とか話してから電話を切り、またメールで少しやり取りしました。
それからメールや、たまに電話で話したりしながら数ヶ月が過ぎました。
ちょくちょく電話で
「お茶ぐらい…」
と誘っても、いつも断られたのですが、ようやく
「お茶ぐらいなら」
と奈緒がOKしてくれました。
初めて見る奈緒は、とびきり美人でも可愛い訳でもなかったですが、性格の良さが伝わってくる様な印象でした。
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