私は覗いてしまったことは詫びたが、男子同士だけに注意はできなかったと正直に告げ、彼に同性愛なのか尋ねた。これはおそらく真性ではないだろうと思っていたからだ。
彼はそれは違うと淡々と答えた。
実際そういうことをしてる半数以上は卒業と共に黒歴史になるんじゃないですかと他人事のように言う。
もっともここで目覚めちゃう人間もいるんでしょうけどね…なんて客観的に冷静に分析していた。
ただ…
彼は付け加えた。
「自分の場合はちょっと違います」
「?」
「知りたいですか?」
「ええ…聞いてみたいわ…」
「今だけは教師としての立場抜きに聞いてくれるなら…」
私は無言で頷いた。
彼が共に行為に及んだ相手は完全な同性愛者で、同室になってから行為を寄せられていた。
ゴールデンウィークに帰宅が許された際、迎えに来た彼の母親が綺麗だと褒めたらしきりに家に来ないかと誘われたそうだ。
また彼の母親からも熱心に誘われたのもあって、自らの里帰りを遅らせて泊まることになった。
その時に、彼にその相手は提案した。
お母さんを抱いてもいいと。(黙認するし協力もする)
その代わり、うまくいったら自分ともつきあってほしい…
そんな悪魔の囁きをされたのだそうだ。
私は荒唐無稽な話に口をアングリさせてしまった。
「そ、それでその提案を飲んだの…??」
「まあ、そうなりますね」
「じゃあ、それってお母さんと関係を持てちゃったってこと??」
「はい…」
なんとも驚いて絶句した。
「ビックリするくらい簡単に事が運びました。お母さんもグルなんじゃないかと疑ったくらいです。ただ、お母さんを綺麗だと言ってるよとか、こっそり煽るような誘導はしてたらしいけど…」
最初は一泊のつもりが二泊になった。
その二泊目に肉体関係にまで発展したらしい。
「単純に自らも欲求不満なのがあったんだろうし、こっちも窮屈な寮生活で女日照りなのはわかってるから誘惑しやすかったんでしょう。考えようによってはこんなチャンスもなかなかない。彼は彼でちゃんと寝たふりして邪魔しないでくれましたから」
それで彼も約束を果たしたのがあの更衣室の行為に繋がるのか…
たださすがにノンケの彼には最後までは厳しかったらしく、あくまでオーラルセックスまでで妥協してもらった。
その代わりに他の男子とはいっさいそういう事はしないという条件を出されたが、それはお安い御用だったので了承したという訳だ。
私は今の子が凄いのか彼らが凄いのかわからないが、とにかく話に圧倒された。
と、同時によくこんな話を私にする気になれたなあと思った。
いくら黙っていた恩があるとはいえ…
「その相手のお母さんとはその後も?」
「ええ、夏休みなんかも泊まりに行きましたし、外でも会ってました」
これにはちょっと嫉妬心が湧いた。
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