続き
それから一人で考えてみた。
力ずくでマキちゃんとキスすることはできる。けど現実的に不可能だ。告白して気持ちを伝えたところで意味もない。
どうやっても今のみんなの関係を壊してしまう。
どうすればいいのか?わからないようにすればいいのか?
この時はマキちゃんを眠らせる方法はないかと真剣に考えたりした。今思えばあぶない奴と自分が信じられない。
あと一ヶ月ちょいでマキちゃんの唇は圭介に奪われる。
でもこれだけは譲れないし許せない、これだけは圭介に渡したくない。で、結論を出した。
ならばその前に何か理由をつけてマキちゃんの唇に触ろう。せめてそれぐらいならいいんじゃないか。
間接でもいいから圭介より先にマキちゃんを奪いたい。歪んだ感情が正当化していった。
しかし、そんなにチャンスはない。唇に手で触れるのも冷静に考えれば難しいもの。
そんな時閃いた。放課後の遊びでたまに僕のペンケースを奪い合うゲームというのがあった。
他のメンバーが僕のペンケースをバスケみたいにパスしあって、僕が一人でそれを奪い返したら終了、というもの。
正直、疲れるし嫌だった。でもいじられキャラの宿命で我慢していた。
最近はマキちゃんも参加してるし、体が触れ合うこともあるしこれを利用しよう。
3月初めの放課後。
4、5人のメンバーで始まった。いつもは嫌な気分だけど、この日はマキちゃんもいるし決意を持って始めた。
何も知らないマキちゃんに少し罪悪感もあったが、これだけマキちゃんを好きだし、
嫌なゲームまでやらされてるんだからこれぐらいいいじゃないかという気持ちで打ち消した。
続く
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