続き
圭介とマキちゃんが付き合ったことで僕にも幸運が舞いこんだ。
それは僕らのグループにマキちゃんが入って遊ぶようになったことだ。
休みの日は皆で買い物に行ったりして、接点のなかったマキちゃんと普通に話せるようになった。
しかもマキちゃんまで僕をいじるようになり、そのせいか圭介と付合ってると理解しつつも前より好きになっていた。
そして2月に入った頃。
男子だけの会話で僕の中で何かが変わった。
「なぁ圭介。お前らってもうどこまでいったの?」
グループの男子が圭介にマキちゃんとどこまで事が進んだのか突然聞いた。
僕も興味があってじっと聞いていた。
「いや、まだ何も」
「付合って結構たったじゃん。キスとかまだなの?」
「向こうがね初めてだから恥ずかしがってて」
「放課後とか一緒に帰ってんだからその時にすりゃいいじゃん」
会話の内容からマキちゃんはまだ誰ともキスしていないことが分かった。
圭介も帰りにしようとしたらしいけど、学校や家の近くは恥ずかしいからNGらしい。
これを聞いてどこかホッとした自分がいた。しかし
「でもさ・・・」
圭介曰く、春休みに卒業記念で二人でデートしてそこでキスする予定だそうだ。
キスという生々しい現実を聞いたとき僕は動揺して初めて圭介に嫉妬した。
僕はマキちゃんをこんなに好きなのに手に入らない。圭介はいとも簡単に手に入れようとしている。
その時、僕の中で何かが変わってしまった。
そして圭介より先にマキちゃんのファーストキスを奪いたいというどす黒い衝動が生まれてしまった。
続く
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