膝が震えました。
どこまで見られていたの?
あぁ…この人は私がトイレで排泄をしなかったことを知っている。
そして下駄箱の角でお尻を擦ったことも知っている。
それは取りも直さず全部見ていたと言うこと。
忌み嫌う男性が今、目の前で自分の排泄物がこびり付いたティッシュを
人差指と親指だけで摘んで、ヒラヒラとひけらかします。
いかにも汚らしげな仕草は麻由美をどんどん追い込んで行きます。
「ご…ごめんなさい…申し訳ございません…」
樋口さんはティッシュを鼻に近付け、野卑た笑みを浮かべます。
舌を出してペロペロと舐める仕草を見せ付けます。
(あぁ…変態…)と思った瞬間、自分はもっと変態なのだと
思い至りました。
ドキン…と胸が鳴ります。
下駄箱のウンチの後始末しなくてごめんなさい。
樋口さんのことを気持ち悪がってごめんなさい。
残業中に夜間巡回に来た樋口さんに冷たくしてごめんなさい。
リストラされた樋口さんを危ない人と思って、心のどこかで
馬鹿にしてたの…
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…
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