夜には宴会になった。
ビールに焼酎だったと思う。
「先輩の親は怒らないんですか!?」
いやもう驚いたの何の。
当時は真面目な自分はお酒を堂々と飲む先輩に驚いた。
「あぁ大丈夫、外で飲まなきゃ問題無いよ」
結局七人全員飲んだが、酒盛りを始めた二人の男の先輩達以外はコップ一杯飲んだか飲まないかだ。
残された自分達はする事が無い。
すると尚美輩が花火をやろうと言い出した。
「準備はして来たんだけど…あの二人は放っておこうか?」
と隣の部屋を指差した。
友達と自分二人で酒盛りをしている二人に花火をしたいと伝えた。
「お~!行って来い(笑)川に行ってやれよ~」
すっかりご機嫌な二人は面倒臭いから行かないとの返事だった。
「あの川…幽霊出るから気をつけろよ~(笑)」
いらん情報まで頂き、自分達五人で川に向かう。
田舎の夜はとにかく暗い。
虫の鳴き声と自分達が立てる音、ポツポツある家から時々生活音がする位だ。
花火を始めると明るい自宅の庭で小さい頃にやった感覚とは違った。
蝋燭の炎と花火の色とりどりの火花が照らす明かりは映画や絵画のシーンの様に先輩達を照らして綺麗だった。
最初ははしゃぎ騒いでいたのが、残り少なくなると寂しい空気が漂った。
「あ~…もう終わりになるねぇ…」
ポツリと佐藤先輩が呟いた。
「あ~あ…明日どっかでもっと買おうよ!」
尚美先輩の言葉に瑞穂先輩も「そうしよう!」と同意していた。
「たけ!お前何か面白い話ししろよ!」
友達の田中が急に話しを振って来た。
部室では何となく喋る内容がウケてはいたが、振られても困る。
「ね~よ!…あっそう言えば、この辺り出るみたいですよ?」
ネタに困って出る間際に言われた先輩の言葉を思い出して言った。
「え~っ!?ヤメテよ~…こんな暗い所でさぁ!」
佐藤先輩が話しを遮るが残りの二人は興味津々だった。
結局何が出るのか知らない自分達は話しが続かなかった。
「なんだよ二人共~!…じゃあこんな話し知ってる?…」
と瑞穂先輩が語り出したのは幽霊話し。
佐藤先輩は嫌がったが話しは盛り上がってしまった。
自分は軽い気持ちで自分が小学生の頃から何度か体験した話しを始めた…。
「あんた霊感少年だったんだ?」
帰り道の佐藤先輩以外はウキウキ顔、佐藤先輩は苦笑いだった。
「マジで怖いって…」
そんな会話をしながら戻れば飲んでた二人は既に畳の上で寝息を立てていた。
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