私は外食してるのを誰に見られるかもわからないので部屋で手料理を振る舞った。
その晩彼が我が家に泊まる事はさすがに考えてもいなかったけど。
隔週で土曜日は先生の家に泊まりに行ってるらしく、母親も中1だし友達の家に泊まる事を取り立てて疑う様子もないらしい。
いざとなれば先生が友達の母親のふりをして挨拶すれば済む。
そこらへんは充分配慮して交際するあたりは、さすがに行き届いていると感心した。
元々、彼は先生と家が近く、スーパーとか図書館とかプライベートな時間に顔を合わせることがよくあったのだそう。
学校で接する時よりくだけて優しいし、学校でもやたらと気にかけてくれているのがわかっていた彼は、他の生徒達ほど煙たがる意識はなかった。
時にはバッタリ会ってお茶を奢ってくれたりもしたらしい。
徐々に親密になりながらも彼は誰にもその事を話さなかった。
そういう面も先生の信頼を得れたのかもしれない。
また、彼も理科の準備室を悪巧みで利用していたことも私との共通点を感じた。
彼は喫煙ではなくて、そこで友達から借りた官能小説を読んでいたらしいのだ。
やっぱり家に持ち帰るには抵抗があったという。
確かに去年まで小学生だったのだからそんな気持ちもわからなくはない。
準備室側の窓のひとつの小窓の鍵がバカになっていてそこから侵入していたらしい。
外は小さな水路になってそんな不便なとこから侵入する奇特な人間はいないのと、ゆくゆくは取り壊しが決まっているからそのままなのだと、さすがに先生の愛人だけに事情通だった。
その現場を見つかったしまった時も大しておとがめなしだったそうだ。
むしろそれからの方が妙に優しくなった気がすると言っていた。
それにそれからも準備室を使う事を咎めなかったそうで、他の人に見つからないように気をつけなさいと寛大だったというから、彼は相当に気に入られていたのは間違いない。
彼が決定的に先生を女として意識したきっかけは水泳大会だった。
女すると武骨な競泳水着も性に目覚めた生徒には相当眩しく映ったらしい。
間近で接する機会が会った時にはついまじまじ見ずにはいられなかったらしく、絶対あの時下心に気づかれたと自嘲気味に語ってとけど、私からすればそれが良かったんだと思う。
先生だってそんなに眩しく見つめられたら悪い気はしないだろうし、憎からず思っている彼なら尚更よからぬ妄想も膨らんだかもしれない。
私は彼に体を預けた後からこれらの生々しい話をさらに聞き出した。
結ばれた後ならもっと口も滑りやすくなるからだ。
この日は先生の家にいかない日の土曜日だったから、私の方からじゃあ今日は私のうちに泊まる?と言った。
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