「あ!もしかして今先生も来る?!」
私は彼の顔を見るなりそう尋ねてしまった。
もう全部知ってますよって言ってるようなものだった。
男子はドキマギしながらも、何時から学年代表の会議があるから30分40分は来ないと思います…
そうしずしずと答えた。
私は私とかち合った事を黙っていてくれる?と頼むと、合点したとばかりに頷いた。
信用できる相槌だったのもあり、私は一気に力が抜けて、余計に喫煙したくなった。
私は自分だけ秘密を知ってるのはズルい気になり、彼の粋な配慮に応えるためにも、実はこっそり喫煙しに来たのだと打ち明けた。
彼はまだ大丈夫ですと、換気扇の紐を引っ張ってくれた。
なんとなく共犯意識が芽生えて、距離が近くようになった気がした。
私達は自然と会話を始めたが、核心を伏せたままなのは彼も気になるだろうと、私は先日見た光景を話してしまった。
向こうも逡巡はしたと思うが、おそらく私を信用してくれたのだと思う。
今の時点で発覚してないことが、私のクチのかたさを裏付けしていたからだ。
煙草一本吸う間に聞き出せる話じゃないし、かといって中途半端で切り上げたくもないから、私はあらためて時間が取れないか尋ねた。
彼は帰宅部だし、母子家庭で母親は毎日遅くに帰ってくるから時間の都合はつくと彼は言った。
結局その週末の土曜日の夜に約束をした。
喫煙を見過ごしてくれたお礼に晩御飯を奢ってあげるからと…
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